私と仕事、研究

2019年8月30日掲載

弓達 新治(ゆだて しんじ)

愛媛大学 大学院理工学研究科 助教 博士(工学)

1998年3月
愛媛大学工学部電気電子工学科 卒業
2000年3月
大阪大学大学院基礎工学研究科物理系専攻博士前期課程 修了
2000年4月
シャープ(株)入社
2004年4月
愛媛大学工学部電気電子工学科助手

現在、愛媛大学大学院理工学研究科助教 博士(工学)

大学時代の研究ほか

大学時代は、愛媛大学にて、CuInSe2薄膜のエピタキシャル成長の研究に取り組みました。愛媛大学に戻ったときにはCu(In,Ga)Se2薄膜太陽電池の研究をおこないまして、何がどのように関係するかわからないなと思いました。大学院では、大阪大学にて、当時、大変興味を持たれていたSi表面の初期酸化過程の研究をおこないました。お世話になった先生には、結婚式(わりと最近です。)に来て頂きました。思い出に残るのは、一か月ほど北海道を自転車でめぐったことです。こんな楽しいことがあるのかと思いました。私は博士前期課程を修了後に就職したのですが、将来自分がどのようなことをしていくのか、研究室のメンバーといろいろ話をしたのを覚えています。当時はフラットパネルディスプレイが発売間近の時代でした。これから、どのディスプレイが本命となるのかを話をしたのを覚えています。

メーカー勤務の思い出

博士前期課程を修了後、自分の会社の製品が電気店に並ぶことにあこがれていたこともあってメーカーに就職しました。仕事は、半導体レーザの生産技術に関わりました。半導体レーザというと基板に成膜をおこなう工程といった前工程をイメージしていましたが、検査工程を主とした後工程を担当しました。納入先と直結した仕事であり責任を感じました。オシロスコープで電圧波形を測定することが、とても多かったのですが、最近研究で電圧波形を測定しているとそのことを思い出します。思い出に残るのは、出張です。設備立ち上げのため、鹿児島、新潟、外国ではインドネシアなどに行かせていただきました。仕事をしていく上で、いろんなことがある毎日が、自分を精神的に少し強くしてくれたように思います。予想以上に、生産、生産技術ともに社外の方と仕事をする機会が多いのを感じました。仕事が終わった後に、関係者全員で居酒屋にて反省会をしたのも良い思い出です。何週間単位の長期の出張も多く、出張先の例えば鹿児島で休みを頂いた際には、先輩方と温泉に行ったりしました。国内の出張自体は一人でいくことが多かったのですが、上司、先輩方を含めていろいろな方に助けて頂きました。

大学に戻ってから

大学に戻ってからは、希土類添加GaN薄膜について研究しました。GaN系薄膜は青色発光素子材料として広く知られますが、希土類元素Euを添加した新規赤色発光素子材料、しかも一般的な六方晶GaNではなく、立方晶GaNへのEu添加とあって、いろいろ困難がありました。しかし最後は、当初目標のEu添加立方晶GaNのエピタキシャル成長に成功しました。時間と情熱を費やした良い思い出です。このような機会をもたせて頂いたこと、一緒に頑張ってくれた学生さんに感謝です。

上記研究を含めて、重要技術として真空中でプラズマを用いていたのですが、その後、大気圧プラズマを用いた研究をおこない、現在は、高電圧研究室に所属しています。研究も、研究以外のこともさまざまなことを勉強させてもらっています。エレクトロスプレーを用いた研究を主にしています。門脇一則先生の考案された“交互進展法”により、エレクトロスプレー針より、非常に微細な液滴と放電プラズマを交互に発生させることができます。

本技術を用いて、「バイオマス発電の燃料生成過程における不純物除去へのパルスパワー応用に関する研究」をパワーアカデミー研究助成(萌芽研究)により実施することができました。また、成果報告会において萌芽研究優秀賞を頂きました。頑張ってくれた学生さんのためにも良かったです。ありがとうございます。これからの具体的内容については現在、進行中ですが、非平衡プラズマと液体が同一空間に共存可能である特徴を生かして、さまざまな分野に取り組んでいく予定です。私事ですが、結婚して家族も増えました。周囲の方々への感謝を忘れず、もう一段頑張らねばと思っています。


電気工学のヒトたち