変電技術者として変電所の運営に携わり、電気のある明るい生活を支えていきたい。

2021年7月30日掲載

関西電力グループの一員として送配電事業を担う関西電力送配電。筒井さんは変電技術者として、その最前線で活躍中です。阪神淡路大震災がきっかけで「人々の笑顔のために」と電気工学の道に進んだという筒井さんに、オンラインにてインタビューいたしました。

プロフィール

2007年3月
同志社大学 工学部 電気工学科 卒業
2009年3月
同志社大学大学院 工学研究科 電気電子工学専攻 博士前期課程 修了
2009年4月
関西電力株式会社 入社
2009年8月
大阪北電力所 野江電力システムセンター(変電) 配属
2011年8月
大阪北電力所 電気課
2016年8月
電力システム技術センター 変電グループ
2019年7月
送配電カンパニー 兵庫支社 神戸電力本部 尼崎電力所(変電)
2020年4月
関西電力送配電株式会社 入社(分社化)
現在
 兵庫支社 神戸電力本部 尼崎電力所(変電)

※2021年4月現在。文章中の敬称は省略させていただきました。

阪神淡路大震災で痛感したインフラの大切さ

筒井さんが電気工学の道を選ばれたのはなぜですか。

筒井:子供の頃に阪神淡路大震災を経験したことがきっかけです。当時私は小学校4年生で、大阪のマンションに家族と住んでいました。大きな揺れとともに食器棚から食器が飛び出し、私が寝ていた布団の上にも棚からものが落ちてきたのを覚えています。ずいぶん怖い思いをしました。

大変な経験をされましたね。

筒井:大きな災害でインフラが麻痺すると当たり前の生活が当たり前でなくなることを目にし、インフラの大切さを身に染みて感じました。震災後には電気が復旧して街に灯りが戻り、人々も笑顔になっていく、そんな様子を見て子供ながらに感動したものです。こうした経験から人々が生活する上で不可欠な電気の大切さを実感し、高校生になる頃には電気工学の道に進みたいと思うようになっていました。

国際学会、留学でコミュニケーション力を磨く

大学での研究活動について教えてください。

筒井:「低圧需要家へ侵入する雷サージに関する研究」に取り組みました。これは一般の家屋の近くに雷が落ちたとき、どのような経路でサージ(瞬間的な過電流や過電圧)が家屋内へ侵入し、家電製品にどう影響を及ぼすかを研究するもので、電気回路への入力電圧、電流を与えたときの出力応答を求めるEMTPシミュレーションによって妥当性を検討しました。人々の生活に関わる研究であるという点がやりがいでした。

研究活動ではどんなことが印象に残っていますか。

筒井:研究室の先生に同行して、フランスのリヨンで開催されたIPST(International Conference on Power Systems Transients)という国際学会に出席したことが一番の思い出です。私は最年少プレゼンターとして発表したのですが、英語が得意だったわけでもなく、準備には苦労しました。けれど世界の研究者たちと“電気”という専門分野を通じて交流し、私の取り組んできた研究が世界の舞台でも通用することが実感でき、誇らしく感じました。アビニョンやパリなどで観光を楽しんだことも心に残っています。

学生生活での思い出を聞かせてください。

筒井:これも先生に勧められてのことで、1ヵ月間、カナダのモントリオール理工学大学に留学しました。他国の電力事情や電力系統の回路現象解析シミュレーションプログラムEMTP-RV等について学ぶためです。海外の1人旅は初めて、1人暮らしも初めてで不安との戦いだったものの、現地の電力会社出身の教授から話を聞くなど、カナダの電力事情についてしっかりと学ぶことができました。

いい経験をされましたね。きっと大きく成長されたことでしよう。

筒井:そうですね。現地の学生とも話ができましたし、国際学会でもそうでしたが、初めて会った人々との交流を通じて、コミュニケーション力はずいぶんと磨かれたと感じました。

電気のある生活を止めないという使命感のもと

関西電力株式会社に入社された動機を教えてください。

筒井:電気工学の道を選んだ理由にも通じるのですが、やはり阪神淡路大震災でインフラの大切さを痛感した経験が大きかったです。当たり前のように電気のある生活を支えることで、人々の生活を明るくすることに貢献したいと思い、電力会社への就職を希望しました。

やはり地元のためにという思いもありましたか。

筒井:はい。長く働いていく上で、両親の近くにいたいという気持ちがあり、地元の関西電力を選びました。

入社以来、変電部門で経験を重ねてこられましたね。

筒井:実は当初は給電部門にも関心がありました。しかし今は変電でよかったと思っています。というのも変電部門は“何でも屋さん”というわけではないですが、変電部門を介して様々な分野の人や組織、設備と関わる仕事なので、そうした幅の広さが面白みにつながっているからです。

2020年4月に関西電力株式会社から関西電力送配電株式会社が分社化されたのに伴って同社に移られ、現在は尼崎電力所にいらっしゃいます。お仕事内容について教えてください。

筒井:尼崎電力所は、兵庫県東部に位置する60以上の変電所の設備の保守・補修・工事などを行う事業所です。私はここに2年前に新任の係長として赴任しました。現在担当しているのは電力所の運営業務及び工事業務です。赴任以来、初めて経験する業務もあり、怒涛のように日々が過ぎているというのが実感です。

具体的にはどのような業務が多いのでしょうか。

筒井:関係各所からの依頼事項の対応や経年劣化した変電設備の工事予算管理などが多いですね。電力所の取りまとめ的な役割もありますので、コロナ禍での職場の衛生管理などについても担当しています。

どんな点にやりがいを感じていますか。

筒井:先ほども申し上げたように忙しく日々が過ぎていき、目の前の業務に全力で取り組んでいるところです。そんな中でもやはり変電所という現場を支えることで、電気のある生活を守るという意識がやりがいにつながっています。万一変電所が止まると人々に供給する電気も止まってしまいますから、まさに電気のある生活を支えているという実感があります。特に台風などの災害の際は変電所を止めてはならないという使命感が、仕事の大きなモチベーションとなっています。

女性技術者として切り拓いてきた道

大勢の人と関わるお仕事とのことですが、どんなことを心がけていらっしゃいますか。

筒井:現場は一つのチームですので、やはりしっかりとコミュニケーションを取ってまとめていくことを大切にしています。特に心がけているのは人の話に丁寧に耳を傾けるということです。私に対して話しかけづらい、言いづらいという雰囲気が生まれないように注意しており、職場は常にオープンでフラットな環境でありたいと考えています。

職場はやはり男性が多いと思いますが。

筒井:その通りです。年上の男性も多く、いいチームワークのためにもコミュニケーションは特に大切にしています。職場に限らず、大学でも電気工学を学ぶのは男性が多かったので、その点は特に気になりません。

女性の技術者として苦労されたことはありますか。

筒井:特に女性だから苦労したという意識はありませんが、少数なので“目立つ”というのは確かかもしれません。男性も含め、多くの皆さんに支えられてここまでやってきたというのが実感です。私には2人の子供がいて、産前産後休業や育児休業を取得する際は身近に経験のある方がいなかったため、多くの方がいろいろと調べて助けてくれました。今は女性の技術者も増えたため、私の頃よりサポート体制はずいぶん充実したでしょうし、職場の皆さんが支えてくれるというカルチャーは当社の魅力の一つだと思います。

女性の目線を活かして新しい事業に挑戦したい

学生時代に身につけた電気工学の知識や経験は、これまでのお仕事でどのように活きていますか。

筒井:現在の職場の前は、関西電力の電力システム技術センターという部署に所属していました。そこでは変電機器の採用に関する業務に携わっていました。メーカーから提出された技術的な書面に基づいて検討を行ったのですが、その際は学生時代に学んだ知識が存分に発揮できたと思います。採用された変電機器は実際に変電所で使われ、電力の安定供給に貢献していますので、責任とやりがいがありました。

今後はどのようなことに取り組みたいとお考えですか。

筒井:先ほどもお話ししましたように私は入社以来ずっと変電業務に従事してきました。これからも引き続き多くの人々の生活、笑顔を支える仕事に携わりたいという思いに変わりはありません。また当社は現在、電力事業だけでなく新たな分野へも積極的に進出しようとしています。例えば子供たちに関わる事業、働くお母さんたちを支える事業を通じて、地域の方々の生活に貢献できれば嬉しいですね。変電技術者であるとともに、働く女性としての目線も活かして、新しいことに挑戦したいと思います。

活躍するフィールドはどんどん広がっていく

電気工学を学んでよかったと思うのは、どんな点ですか。

筒井:これまで“機械”で動いていたものが、今の時代はどんどん“電気”で動くようになってきました。自動車などはその代表でしょう。これから電気はますます重要な存在になっていくと思いますし、あらゆるものを支えるという電気の魅力はさらに大きくなっていくと思います。そんな電気を通じて、技術者として社会に貢献できる点に喜びを感じています。

電気工学を学ぶ皆さんにメッセージをお願いします。

筒井:電気は縁の下の力持ちのような存在です。今もお話ししたように、その支える分野はどんどん広がっており、電気工学の技術者が活躍する領域も広がる一方です。そんな魅力あるフィールドで皆さんが活躍されることを期待しています。また女性が活躍する場面も着実に広がっており、働く環境やサポート制度などもずいぶんと充実してきました。そうした追い風を受けつつ、自分の道は自分で拓いていくという強い志をもった女性の皆さんに、ぜひ挑戦していただきたいと思います。

本日はありがとうございました。

※インタビューへのご質問、お問い合せにつきましては、「こちら」にお願いします。

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