vol.3 北海道大学大学院 原 亮一 准教授
2009年3月10日掲載
原亮一
北海道大学大学院情報科学研究科
システム情報科学専攻システム統合学研究室
- 2003年3月
- 北海道大学大学院工学研究科博士後期過程修了、博士(工学)
- 2003年4月
- 横浜国立大学大学院工学研究院助手
- 2006年4月
- 北海道大学大学院情報科学研究科助教授
- 2007年4月
- 北海道大学大学院情報科学研究科准教授、現在に至る
私は電力システムに関する研究に従事しておりますが、我々の分野でよく耳にするひとつの噂があります。
「電力の関係者はお酒が好き」という。
私は高専から大学に編入しました。高専では5年生に卒業研究を実施することになっており、それが私にとって今の分野での研究の始まりでした。そのときにご指導いただいた先生は、私が北海道大学に編入してから配属になった研究室のご出身であったこともあり、編入学試験に合格したときに、「北大の電力の研究室は、皆さんお酒が好きですよ」と教えてくれました。
そんな先生のアドバイスも、北大に編入してから研究室に配属となるまでの1年半ほどの間はすっかり忘れておりましたが、いざ研究室に配属になって歓迎会を開いていただいたときに、すぐに思い出すことができました。先生方も、研究室の先輩方も、お酒が好きな方々ばかりだったのです。幸い親切な先輩や元気な後輩に恵まれた私は、修士課程、博士後期課程へと進んでからも、研究室の仲間とお酒を酌み交わしつつ、研究に関するマジメな話から、ここに書くことがはばかれるようなクダラナイ(でも不可欠な)話まで、時には夜を徹して語りあったものです。
このようなコミュニケーションは、私の学生時代の研究や学生生活には必要不可欠であったし、いまでも役に立っていると確信しております。大学院を修了してからも教員として同じ分野におりますが、多くの他大学の先生方や研究所、企業の方と一緒に仕事をさせていただく内に、冒頭の噂がますます真実味を帯びてきています。
ただし、間違えないでください。重要なことは、「お酒が強いこと」ではなく、「お酒が好き」ということだと思います。もう少し噛み砕くと、「お酒の場」を潤滑油として、円滑なコミュニケーションをとることが重要なのだと思います。話題は堅くなくて良いのです。お互いに、本音で話ができる雰囲気作りに意味があるのです。
私は研究の分野を大きく変えたことはありませんのではっきりとは分かりませんが、ひょっとすると冒頭の噂は他の分野でも言われていることなのかもしれません。
いや、文言は違っていても、忌憚なく意見交換ができる雰囲気の醸成は、どの分野であっても重要なファクタであると思います。情報化が進んだ今ですから、お酒の場だけがコミュニケーションの手段だとは思いませんが、是非、積極的に機会を生かしてもらいたいと思います。
最後に、これから様々な分野で活躍される学生の皆さんに一言。
「どこで飲みましょうか?」