電気工学が未来を救う ~私たちがやるべきこと~

2010年2月26日掲載

浦崎 直光

琉球大学工学部電気電子工学科
准教授

1998年3月
琉球大学大学院工学研究科電気・情報工学専攻修了
1998年4月
琉球大学工学部電気電子工学科助手
2004年9月
博士(工学)取得(琉球大学)
2006年12月
琉球大学工学部電気電子工学科助教授
2007年4月
琉球大学工学部電気電子工学科准教授、現在に至る

工学の定義の一つとして、「工学とは数学と自然科学を基礎とし、ときには人文社会科学の知見を用いて、公共の安全、健康、福祉のために有用な事物や快適な環境を構築することを目的とする学問である。」があります。なるほど、現代社会において電気が不可欠であるという事実は、これまでの研究者ならびに技術者が電気工学をこの定義に反せずに発展させてきた賜物であると考えます。さて、私たち電気工学分野の研究者やこれから研究者や技術者を目指す者が今後やるべきことは何か? ズバリ、環境問題への取り組みではないでしょうか。すなわち、生活水準を維持しつつ、二酸化炭素の排出を抑制する地球規模の課題を解決しなければなりません。

本研究室の留学生が若手研究発表賞を受賞

私たちの生活を支えているエネルギーの主役は電気エネルギーであるといえます。これは、電気エネルギーの輸送(発電所から各家庭まで)や他のエネルギーへの変換(電気から機械、電気から熱)が容易なこと、ならびにこれらの輸送効率や変換効率が高いという特長によるものです。従って、上記課題を解決していくことは、二酸化炭素の排出を抑えた発電方式とエネルギー消費という新たなエネルギーシステムの構築の必要性を意味します。

二酸化炭素の排出を抑えた発電方式に太陽光発電があります。太陽光発電の発電量は小さく、多くの発電エネルギーを得るためには広大な面積に太陽光パネルを設置しなければなりません。また、雨天時には発電量が激減するため、電気エネルギーを安定に供給することは困難であるという欠点があります。そのため、各家庭の屋根に太陽光パネルを分散配置することで、スペースの有効活用ができるとともに天候の変化による影響を抑えた上で多くの発電エネルギーを得ることが可能となります。

教育用電動車両の開発(構築中)

一方、エネルギー消費の観点からは、電気自動車への転換が不可欠となります。電気自動車における電気エネルギーから機械エネルギーへの変換効率は比較的高く、自然エネルギーを利用した発電方式により電気エネルギーを発生させることにより、二酸化炭素の排出を抑制することが可能となります。

ここまでで何かお気づきの点はありますか? これからのエネルギーシステムを構築するためには、太陽光パネルの設置や電気自動車への転換など、各家庭での積極的参加が重要となります。流行の言葉で表現すると、電気エネルギーも「自産自消」の時代が到来するかもしれません。いや、そのようにして行くべきではないでしょうか。

電子工作教室

さて、大学教員の使命は何かと自問すると、やはり教育・研究活動と人材育成であるといえます。さらに、今後のエネルギー問題の解決に向けては、電気工学をより身近なものとして多くの方に理解していただくことだと考えます。従いまして、学会での研究発表に加えて、各種イベントでの研究紹介や小中高生を対象とした電子工作教室の開催等の活動を積極的に進めています。


電気工学のヒトたち