研究課題の背景

高度経済成長期に導入された電力設備を中心に、設備の経年化が進んでおり、事故や自然災害に対して供給信頼性を維持しつつも、電力設備のコストダウンを図ることが重要になっている。従って、事故や自然災害のリスクを見極めながら、経年設備を限界まで有効に活用することが課題となる。また、経年設備をリプレースする際や革新的機器の開発においては、環境との調和とともに、高度で付加価値の高いものにしていく必要がある。

前提となる社会環境

【社会環境を踏まえた課題】C-1:電力供給の信頼性と経済性の両立

【研究項目】
事故未然防止のための設備診断・監視技術の高度化
  • 電気絶縁診断技術の高度化
  • 高精度余寿命評価手法の開発
【研究項目】
信頼性とライフサイクルコストを考慮した設備の構築・保守手法の確立
  • ロボット、ドローン、センサ、非破壊検査技術による保守管理の高度化・効率化
  • IoT、ビッグデータ、分析プラットフォーム、AIを活用した故障予兆診断I
  • 設備計画手法(アセットマネジメント)の高度化
【研究項目】
自然災害対策の高度化
  • 雷現象の解明と雷害対策の高度化(雷保護システム、電磁界計測等)
  • 塩害・雪害への対策技術の高度化
  • 大地震等の過酷な事象下における信頼性維持対策の高度化
  • 災害情報のリアルタイム共有化手法の開発

【社会環境を踏まえた課題】C-2:低環境負荷技術と高機能絶縁技術の開発

【研究項目】
新たな絶縁・消弧方式の開発
  • SF6代替ガスの開発(CF3I、放電解析、プラズマ流体解析)
  • 開閉器における放電・絶縁破壊メカニズムの解明
【研究項目】
高機能絶縁技術の開発
  • 誘電率傾斜機能材料、ナノコンポジット材料を用いた電力機器の開発
【研究項目】
環境負荷低減のための電力機器開発
  • 環境調和型電力機器の開発
  • 環境に優しい絶縁材料の開発
  • マテリアルリサイクルの開発

【社会環境を踏まえた課題】C-3:革新的機器の開発

【研究項目】
高効率・高性能・多機能な機器の開発
  • 電力変換器の高効率化(マトリックスコンバータ等)
  • 高効率発電機・電動機の開発(超電導発電機、超電導モータ等)
  • 次世代半導体(SiC、GaN等)デバイス・機器の開発
  • アクチュエータ(ER流体)の開発
  • 過酷環境下における作業用ロボットの開発

電気工学の未来