研究課題の背景

20世紀においては、電源は大容量化・送電線は高電圧化といったように、大型化・集中化が電力設備の技術進歩であった。しかし、21世紀に入り、地球温暖化防止に対する意識の高まり等を背景に、再生可能エネルギー発電等の分散型電源の開発と普及が進んでいる。従来の電力システムを今後も効率的・合理的に運用していくことに加えて、従来システムと分散型電源システムとを調和させて、安定かつ持続可能な電力システムを構築していくことが大きな課題となっている。

前提となる社会環境

【社会環境を踏まえた課題】A-1:高効率な電力輸送技術

【研究項目】
長距離大容量送電技術の向上
  • パワエレ機器を活用した直流送配電機器、FACTS機器の開発
  • 発電機制御技術、系統制御技術の高度化
【研究項目】
小型・省スペース大容量送電技術の開発
  • 超電導線材、超電導機器(SMES、変圧器、限流器等)の開発
  • 超電導ケーブル・超電導変圧器による地域供給技術の開発

【社会環境を踏まえた課題】A-2:出力変動電源の増大による系統運用・制御の複雑化

【研究項目】
平常時運用・制御の高度化
  • 系統解析の超高速化・高精度化
  • リアルタイム系統監視・制御システムの高度化
  • オンライン状態推定・予防制御システムの開発・高度化
  • 電力品質評価・系統運用技術の開発・高度化
【研究項目】
緊急時制御・復旧時制御の高度化
  • 事故時の最適系統安定化技術の開発・高度化
  • 短時間かつ確実な系統復旧操作支援技術の開発
【研究項目】
日本型先進的スマートグリッド技術の開発
  • 分散型電源の大量導入に対応した確率的・統計的処理を用いた系統解析および評価の高度化
  • 分散型電源と系統電源との協調を目指した日本型の新たな系統運用技術の開発
  • ICT技術、高速通信技術、IoTなどの基礎技術の高度化・高信頼化
  • 配電系電圧制御手法の高度化,次世代電圧制御技術の開発
  • 革新的な系統構成機器(FACTS機器等)による電力系統の高度化
【研究項目】
電力取引量増加に対応する解析・評価手法の開発
  • 電力市場取引量・価格変動量予測手法の開発
  • 競争環境下の系統計画・運用計画手法の開発
  • 設備投資リスク評価・シミュレーション手法の開発
【研究項目】
電力貯蔵技術の高度化
  • 出力変動の抑制・平滑化技術の高度化
  • 電力貯蔵システムの最適設計・最適運用の高度化
  • 電力貯蔵機器の高性能化
  • 電力貯蔵機器の診断技術・余寿命評価方法の開発
  • 水素製造・輸送・貯蔵技術の開発

【社会環境を踏まえた課題】A-3:再生可能エネルギー利用の拡大

【研究項目】
再生可能エネルギーの高効率利用技術の開発
  • 新たな再生可能エネルギー発電の開発
  • 再生可能エネルギー発電の高効率化
  • 水素利用技術の開発(Power to Gas技術等)
【研究項目】
再生可能エネルギーの安定的・経済的な利用技術の開発
  • 確率的・統計的処理を用いた出力把握・予測手法の開発
  • 次世代直流給配電システムの開発(DCマイクログリッド等)
  • 再エネ機器の安全性・故障診断技術、余寿命評価方法の開発

電気工学の未来