2021年7月掲載
ごみ発電を聞いたことはありますか?ごみ焼却場に発電施設を設置し、ごみを燃やした熱で発電するもので、発電と廃棄物処理を同時に行える一石二鳥の技術として注目が集まっています。
ごみ発電のメリットとデメリットとは?
日本では、家庭などから排出される多くの可燃ごみは、燃焼させることによって処理されています(焼却処理)。このごみを焼却した時に発生する熱を利用して発電するのが「ごみ発電(廃棄物発電)」です。
ごみ発電の基本的な仕組みは火力発電と同じで、可燃ごみをボイラーで燃焼して得られる高温・高圧の蒸気でタービンを回して発電します。ちなみに、国内の多くのごみ焼却施設では、発電と共に、排熱を温水プールや温浴施設などで熱利用し、エネルギーを有効活用しています。
●一般的なごみ発電の仕組み
ごみ発電の大きなメリットは、発電と廃棄物処理を同時に行うことができ、焼却時に捨てられてしまうエネルギーを有効利用できることです。
さらに、発電における化石燃料の使用を減らすことができるため、二酸化炭素の排出削減にも貢献します。ごみ発電は、再生可能エネルギーのひとつである、バイオマス発電に位置付けられています。
一方で、デメリットは、廃棄物を燃やすときにダイオキシンなどの有害ガスが発生する可能性があることです。また、ほとんどのごみ焼却炉の規模が小さいため、発電効率が悪いという欠点もあります。
しかし近年、ガスタービン発電を併設して、蒸気を再加熱して発電効率を高める「スーパーごみ発電」や、ダイオキシンを発生させないように廃棄物そのものを固形燃料化する「RDF(固形化燃料)発電」など、デメリットを払しょくする新たな研究開発が進んでいます。今後もごみ発電のさらなる発展・普及へ向けて、電気工学をはじめとする関連研究の進化が望まれます。
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