技術士(電気電子部門)
技術士(電気電子部門)とは
科学技術分野における専門的学識および高等の専門的応用能力を有する、優れた技術者のための資格認定制度(文部科学省所管)です。技術士補の資格(技術士一次試験)を取得後、一定の経験を積んだ後、技術士第二試験に合格することで、技術士(電気電子部門)になることができます。技術士試験は、電気電子部門以外にも、産業経済、社会生活の科学技術に関するほぼ全ての分野(21の技術部門)ごとに行われています。
こんな仕事ができます
一般的な技術職という役割を超えて、行政活動や企業経営などに関わることが特徴と言えます。コンサルティング業務は、企画、調査、計画、設計、監理や、裁判所・損保機関等の技術調査・鑑定、工事監査・技術関係試験、新技術の実用化のための研究開発支援など多肢にわたります。特に、公共事業のプロポーザル(提案活動)では、技術士資格が評価ポイントになっています。さらに、企業内における技術業務(リーダー、技術監理)、公的機関への協力、行政への協力、知的財産評価、海外支援などを行います。
資格のメリット
学術界での博士号(学位)が、産業界では技術士が該当すると評されている、権威ある資格です。技術士法(※1)では、「技術士の名称を用いて、科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務を行う者」と定義されています。
(※1)技術士法は、1957年5月20日に制定されました。技術士等の資格を定め、その業務の適正を図り、もって科学技術の向上と国民経済の発展に資することを目的としています。
将来の活躍分野
技術士は、技術職という役割を超えた活動を行うため、将来的には経営者への道も十分可能です。専門職から一般職、総合職、管理職、経営職まで、業界問わず、幅広く活躍できます。
資格取得に関する主要データ
受験資格
技術士補の資格を取得後(一次試験)、一定の経験を積んだ後、技術士の受験資格(二次試験)が得られます。
- 【技術士第一次試験(技術士補)】誰でも受験できる
- 【技術士第二次試験(技術士)】技術士補となれる資格(技術士第一次試験合格者およびそれと同等に認められる者)を有し、次の①~③のいずれかに該当する者
- 技術士補として技術士を補助した経験が4年を超える者
- 第一次試験合格後、優れた指導者の監督のもとで、経験が4年を超える者
- 科学技術に関する計画、研究、設計、分析、試験または評価などの指導業務経験が第一次試験合格前の業務経験を含め、7年を超える者
※総合技術監理部門の受験者は、上記よりさらに3年の経験年数が必要
受験者数/合格率
技術士(電気電子部門)第一次試験結果
年度 | 受験申込者数 | 受験者数 | 合格者数 | 対受験者合格率(%) |
---|---|---|---|---|
2012(平成24) | 2,696 | 2,076 | 1,221 | 58,8 |
技術士(電気電子部門)第二次試験結果
年度 | 受験申込者数 | 受験者数 | 合格者数 | 対受験者合格率(%) |
---|---|---|---|---|
2012(平成24) | 1,617(5) | 1,260(3) | 193 | 15.3 |
(注2)()の数字は、JABEE修了者での内数。JABEE(日本技術者教育認定機構)修了者とは、文部科学大臣が、第一次試験の合格と同等であると指定した大学等の教育機関課程修了者です。
電気工学出身者の強み
文部科学大臣が、第一次試験の合格と同等であると指定した大学等の教育機関課程修了者は、一次試験が免除されて技術士補になることが可能です(JABEE※日本技術者教育認定機構)。大学や高専によっては、取得支援のために特別科目や集中講座がある場合もあります。
- 詳細は、一般財団法人日本技術士会の試験センターのHPをご覧ください。