抜群の総合力で、東北地区初のロボコン大賞を受賞。

安定した総合力で、ロボコン大賞を受賞

ほとんどミスがなかった、2足ゾーン。

ロボコン最高の名誉"ロボコン大賞"に輝いた、仙台高専は、地区大会・東北大会の優勝校。シード校として2回戦から登場しました。何と言っても一番の売りは、鍵の挿入。地区大会では、百発百中だった命中精度です。

「鍵をパチンコのように打ち出す射出機構がポイントです。鍵の金具もロッククライミングで使用されるカラビナのような仕組みで、一回鍵穴を捕らえたら逃がさないようにしました。照準器はパソコンで操作しています」(仙台高専の皆さん)。

PCモニターによる、鍵穴発射で命中精度100%。

さらに、この高性能な射出機構とともに安定感抜群だったのが、オリジナルの歩行機構。ジョイスティックを2つ取り付け、ロボットのコントローラーの役割も果たします。これにより、シンプルな操作が可能で、操縦ミスも発生しない工夫を施しています。

この安定した歩行機構と、ダイナミックな鍵発射は、全国大会でも存分に持ち味を発揮してくれました。初戦となった2回戦のタイムは、34秒で突破。続く準々決勝は、2秒の僅差で惜しくも和歌山高専(33秒)に敗れましたが、間違いなく今大会屈指の性能を持つロボットであることを会場に印象づけました。もちろん、鍵発射は全国大会でも百発百中!そして、高い操作技術やメカニズム、スピードなど総合力が評価され、ロボコン史上初めて東北地区にロボコン大賞をもたらしました。

見所はもちろん鍵の挿入。2回戦の様子をお届けします。

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ロボットの高性能化には、電気工学は不可欠でした

総合的な性能を評価され、ロボコン大賞を受賞した、「Aruyo=Aruyo(アルヨアルヨ)」。では、電気工学はどのような点で、この高性能ロボットに貢献したのでしょうか。一番大きかったのは、安定感抜群の二足歩行を実現したモーター制御でした。

「モーターは、電気ドリルドライバー用のモーターを使いました。配線は太く、接続はしっかりと。安くて頑丈で高出力ですが、大電流なので制御には大変気を遣いました。市販のモータードライバーなどは使用せずに、すべて手作りです。半導体をできるだけ使用せずに、リレー(継電器※電気信号を出力する電力機器)を主に使っています。リレーは車載用のリレーを使うことで、大電流に耐えるように工夫しています」。

また、電気回路にも数々の工夫を施しました。
「電気車載用のギボシ端子(配線と配線の着脱を容易にするための部品)のほか、実は家庭用の100Vのコンセントとプラグ(3つ股の)、VVFケーブルなどを用いています。計測すると、最大50Aを越える電流が流れるようになっています」(仙台高専の皆さん)。

最後に、電気工学について「今回のロボコンを通じて、機械とともに電気も理解できないと、高性能なロボットはつくれないと学びましたよ」と笑顔で語ってくれました。

※ロボコン大会2008年の旧宮城高専(現仙台高専)の記事はこちらです

全国大会は、ほぼノーミスで競技を終了しました。ロボコン大賞アルヨの合言葉達成!

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