空気圧だけで歩くロボットにも電気工学が使われていた!

ASIMO(アシモ)顔負けの、2足歩行

宮城高専のロボットは、まずその発想の豊かさに驚かされました。“生命大進化”というテーマで猿から人になるというのは一般的ですが、宮城高専ではなんと、その人を伊達政宗にしたのです!

「やっぱり伊達政宗は地元の英雄ですから(笑)。単純に普通の人では面白くないのでアイデアを練りました」(宮城高専の皆さん)。

また、会場を沸かせたのは、足の動きの面白さです。多足歩行ゾーンの猿ロボットは、規則的なジャンプで移動。2足歩行ゾーンの伊達政宗は、暴れるような動きで予想もつかない歩き方をして会場は爆笑の渦。NHKの実況では「お殿様ですから、やはりわがままですね(笑)」というコメントも飛び出していました。惜しくも一回戦及びエキシビジョンマッチとも完走はなりませんでしたが、大いに観客を楽しませてくれました。

空気圧で歩く斬新なロボットの陰に、電気工学

宮城高専のロボットは、今大会唯一の斬新な技術を評価されて、特別賞を受賞しました。それがモータを一切使用せずに、空気圧のみでロボットの2足歩行・多足歩行を実現した技術です。

「“空気”は生命が進化する上で欠かせないもの。また、モータを一切使用せずに空気を制御することで、面白い動きになるのです」(宮城高専の皆さん)。

では、モータを使用しないということは、電気工学は一切使われていなかったのでしょうか?

「いいえ。2足歩行のロボットは、エアシリンダ(圧縮された空気を筒の中に入れて棒が飛び出る装置)で動かしていますが、その制御は電気的なメカニズムで作動しています。また、タンクに使った空気をレギュレータ(調整装置)で平均化しているのですが、そこでセンサを使って、動作をプログラムに反映しています」。

モータを使用しないとはいえ、会場を爆笑の渦に巻き込んだ歩行にもやはり、センサなどの技術が使用されていたのです。また、回路内のマイコンやプログラミングにも力を注ぎました。

最後に「ロボットを動かす技術は、電気工学がベースです。機械工学だけでは難しいと思います」と話してくれました。

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