今大会唯一の自動連結ロボットは、電気工学が支えた。

今大会唯一の自動連結と、機関車のレール音まで再現した二足歩行

ロボットが自らの力だけで乗り物を引き寄せ、自動連結。

今大会は、ロボットと乗り物が合体する連結ゾーンは、チームメンバーが手を貸しても可能なルールでした。そのため、ほとんどのチームが手動による連結を行っていました。しかし、あえて自動連結を試みたチームが、1チームだけあったのです。それが、熊本高専・八代キャンパス『スチームランナー』です。

『スチームランナー』は、外見から内部構造・仕組みまで、とにかく凝りに凝っていました。まずはロボット。SLを模した外装の上、カムを用いた独自の機構でスムーズな歩行を実現しています。それだけでなく、SLを模すというこだわりは足音まで表現。NHKのアナウンサーが「本当の機関車のような足音に聞こえる」と実況したときは、会場に大きなどよめきを誘いました。

そして乗り物。最初は八代駅ですが、SLと自動連結後は客車に変身して、真のデザインを披露します。また、鍵穴の差し込みも、伸縮する竿によって差し込む方式で、会場はその技術の素晴らしさに酔いしれました。惜しくも1回戦突破はなりませんでしたが、1分13秒のタイムで完走。この素晴らしいデザインと自動連結が評価され、見事「デザイン賞」と「特別賞(東京エレクトロン FE株式会社)」の2冠に輝きました。

(左)伸縮する竿によって、鍵を鍵穴付近へ上げる。
(右)鍵が鍵穴に触れると、ばねの力で自動的に挿入。

高度な機構設計とモーター制御で、機関車の動きを再現

モーター制御回路とノイズ対策の自作シールド線

高い完成度で会場を沸かせた、熊本高専の皆さんに今回のロボット製作で一番苦労したことを伺いました。

「2足歩行ですね。今回はカムとクランクリンクを用いたオリジナルの歩行機構にチャレンジしました。完全オリジナルなので、カム曲線・各リンクの長さの設定を自分で決める必要があり、機構のシミュレーション・検証に苦労しました」。

では、電気工学はどのようにロボットに貢献したのでしょうか。

「やはり、モーターの制御ですね。モーターの制御にPWMという方式を採用しました。PWMとは、高速でモーター電源の入り切り(ON/OFF)を繰り返す制御方式で、これによりモーターの回転数を速くしたり遅くしたりでき、滑らかな歩行と旋回が可能になりました。」

レール音まで再現したオリジナル歩行は、電気工学が支えていたのです!また、電気回路に侵入するノイズに対して、電気工学関連の書籍やホームページなどを見て対策を立てたそうです。

最後に熊本高専の皆さんに電気工学について率直に感じていることを伺うと、「電気は面白いですね。電気の知識があると、ロボットが自分の意志どおりに動いてくれます」、「今まで身につけた電気工学の知識が応用できるモノづくりに興味があります」などのコメントを頂きました

ゴールまで一直線。本物の機関車のような動きは、観客の目を離しませんでした。

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