国技館を魅了した踊りは、高度なモータ制御で実現した。

華麗なる舞で、会場人気ナンバー1に輝く

舞鶴高専の『鶴恋慕』は、豪華な衣装に身を包んだ2台のロボットが素晴らしいダンスを繰り広げてくれました。平安時代の京都を舞台に、戦いに行く手動型ロボットの男性(マコト君)が自動型ロボットの女性(アイちゃん)へプレゼントの髪飾りを渡すというストーリーです。そして、プレゼントの贈呈が終わったあと、2台のロボットが華麗な舞(ペアダンス)を繰り広げます。

ファーストステージでは、男性ロボットが女性ロボットの髪に髪飾りを付けた後、2台のロボットが素晴らしい舞を繰り広げ、多くの観客たちを魅了しました。紙吹雪が舞う中、扇や刀を持って踊るロボットたちの手首の返しは、本物の踊りに思えたほど。特に扇は、開いたり閉じたりと自在に変化していきました。残念ながら、ファーストステージ突破はなりませんでしたが、会場を包んだどよめきは当日屈指のものでした。その証拠に、会場の中学生以下の子供たちによる人気投票は1位!決勝後に行われたエキシビジョンマッチへ出場し、再びその舞で多いに楽しませてくれました。

人気投票No.1!華麗な舞の映像

このページのコンテンツには、Adobe Flash Player の最新バージョンが必要です。

Adobe Flash Player を取得

1台20個のモータを使用!高度な制御技術で驚きのダンスを実現

会場を魅了した驚異のダンスの秘密は、一体何だったのでしょうか。話を伺うと、なんと1台につき20個のモータを使用して、精巧な動きを実現したそうです。そのため、大変緻密なモータ制御が必要とされました。モータ制御は、電気工学の重要な技術のひとつです。

「今年のロボットは踊りにモーションをつけるため、多数のモータを同時に動かす必要があります。ですから、モータ制御には大変気を遣いました。モータはDCモータを使用し、ポテンショメータを使ってマイコンで制御しています。また、プログラミングも多く、バグとり(プログラムの間違いを直すこと)に苦労しました」(舞鶴高専の皆さん)。

さらに、ロボコン大会はバッテリー容量に制限があるため、DCモータには電力消費の少ないものを選別。様々な電気工学上の工夫を行いました。その他、通信におけるノイズ対策にも力を入れたそうです。

最後に、電気工学への興味について伺うと、「回路設計をしている人にとっては、非常に興味のある学問分野です。電気工学の技術がなければロボットはただの人形です。電気はロボットにとって血液のようなものだと考えています」と答えてくれました。

この記事に関連する電気工学のキーワード

  • 電力機器

電気工学イベント