人型ロボットにおいて、電気は魂です。

両国国技館を80年代ダンスホールに変える!

岐阜高専のロボット『Spica』は、未来の人型ロボットがテーマです。人型ロボットとDJ型コントローラロボットが協力して、プレゼントのミラーボールを運び、華麗なステップを披露します。まるで人間のような歩行や動作を行うロボットに、会場はどよめきの連続でした。早速、ファーストステージから、驚きの2足歩行を披露。本物の人間のような動作でミラーボールをプレゼントポールから取り上げると、会場は大歓声!そして、人型ロボットがDJ型コントローラロボットへ、ミラーボールを渡してダンシング。映画『サタデー・ナイト・フィーバー』さながらのダンスで、会場は手拍子に包まれました。

さらに凄かったのが、スターステージの段差越え。高さ15cmの段差を、人間の足の動作そのままに駆け上がった姿は、高い技術力を観客へ印象づけました。結局、ここで時間切れとなり、惜しくもファーストステージ突破はなりませんでした。

しかし、決勝前のエキシビジョンマッチでは、HONDAのASIMO(アシモ)と、ロボコン大会テーマソングを歌った特別ゲストのHi-Fi CAMP(ハイファイ・キャンプ)と一緒にダンシング。大歓声をさらいました!間違いなく『Spica』は、今大会を大きく盛り上げた立役者のロボットでした。

高性能・自作サーボモータで、未来の人型ロボットを実現

岐阜高専の皆さんに話を伺うと、人間のような『Spica』の歩行と動作には、電気工学のモータ技術が深く関わっているそうです。

「ロボットの動きは、モータ制御が全てといっても過言ではないと思います。人間と同じで、関節をどう動かすかが最大のテーマですから。そこで僕たちは、DCサーボモータを自作しました。DCサーボモータとは、回転角を指定(位置制御)することができるモータのことで、優れた制御性能を持ちます。プレゼントの受け渡しも、DCサーボモータで制御しています。ただ、DCサーボモータは通信ノイズが出やすいので、その除去には非常に気を遣いました」。

また、実際にロボットを駆動させる電気回路も、力を入れて製作したそうです。

「複雑なロボットと思うかもしれませんが、低予算でつくれるように、回路はシンプルな構造にしました。足は10軸ありますが、モータは14個しか使用していません」。

こうした様々な電気工学上の工夫をこらして、ASIMOにひけをとらない動きが実現したわけです。「ロボットにおいて電気は魂だと思います。その魂を動かすのが、プログラミングですね」実際に電気回路の製作を担当した学生は、笑顔で応えてくれました。

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