悲願の初優勝!その要因は、電気回路の安定化だった。

ネッシーとティラノザウルスで、大会新記録を樹立

“Movement”まさにその名の通り、沖縄高専のロボットは今年のロボコンに旋風を巻き起こしました。

まず多足歩行ゾーンでは、ネッシーの卵を模した多足歩行ロボット。次に変身ゾーンに入ると、卵から恐竜が孵化。続いて2足歩行ゾーンでは、ティラノザウルス型の2足歩行ロボットへ。途切れることのない一連の動作はまさに芸術的でした。

そして、他チームが続々と途中でリタイアしていく中、予選から決勝トーナメントまで計4試合、終始安定した走りを見せていました。特に、ティラノザウルスの歩行は、本物の恐竜のような動きでありながら、猛スピードで駆ける姿が会場の眼を惹きつけました。

一体どうしてこのような走りが可能となったのかを聞いてみると、「2足歩行では、足裏の面積を広くして歩数を少なくしました。これが安定的な走りとなって、スピードを出せた要因です」と語ってくれました。

一回戦は、予選タイム3位で通過。決勝トーナメントも危なげなく、一回戦・二回戦と勝ち進み、決勝では38秒の大会新記録を樹立し優勝。感動的な幕切れを演出してくれました。

優勝を左右したのは、電気回路の安定化

沖縄高専の皆さんに話を伺うと、今年の優勝を左右した大きな要因として“電気回路の安定化”を挙げていました。

「実はこれまで全国大会に何回か出場してきましたが、いつも電気回路系のトラブルで負けていたのです。昨年は、無線トラブル。一昨年は、モータと回路をつなぐコネクタの接触不良が原因でした。そこで今年は、電気回路をシンプルにし、少ないモータで構成しました。また、無線と赤外線、両方の通信が可能となるようにしました」もうこれまでのような悔しさは味わいたくない、そこで今年は様々な工夫を取り入れたそうです。

また、これ以外にも、マスタースレーブ(遠隔でロボットアームを操作する代表的な方法)における、モータの角度制御にも力を入れ、スムーズなロボットの動きを可能にしました。さらに、容量制限にひっかからないように、電池の選定は様々なものを試して決定しました。

こうした様々な電気工学上の工夫をしっかり行ったお陰で、今年は安定した走行が可能となり、見事優勝を果たせたわけです。「優勝の要因は、電気のトラブルをなくしたことですよ」と笑顔で応えてくれました。

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