両国国技館に、プリンの香りと笑顔をもたらしました。

見ている人たちにエネルギーを与える、楽しいロボット

残念!鍵穴の差込みに失敗。制限時間内に完走ならず。

スピード勝負の緊張感溢れる今大会に、鶴岡高専の『ぷりん☆A!LAもーど♡(プリンアラモード)』は、プリンの香りと笑顔を会場中に運んでくれました。

ロボット単体のデザインは、カラメルソースのみがかけられたプリン。このプリンが、連結ゾーンで待っている乗り物(ケーキ皿、スポンジケーキ、フルーツ、生クリーム)と合体。素敵なデコレーションが飾られ、プリンアラモードに成長するというストーリーです。ちなみに、操縦者は山形名産サクランボを頭に乗せて走ります。目指したのは「日本一おいしそうなロボット」。そして「あのロボット面白かったね!」と言われることだそうです。

残念ながら、大会当日は、2足歩行ゾーンで転倒。なかなか思い通りの歩行ができずに、鍵穴の差込みに失敗したところで競技終了となりました。しかし競技中に、NHKアナウンサーから「プリンの香りがこのロボットからします」という実況で、場内は大爆笑。競技終了後のインタビューでも、チームメンバーと、応援席にいるお母さんとのユーモラスなやりとりで大受けでした。

パフォーマンスという点では、鶴岡高専は、文句なく今大会で一番会場を沸かせてくれました。さらに、「見ている人たちにエネルギーを与えてくれた」という理由で、特別賞(電気事業連合会)も受賞しました!

でも、特別賞(電気事業連合会)を受賞しました。

外見は派手でも中身はシンプルに、電気回路をモジュール化

今大会屈指の楽しいロボットとパフォーマンスを見せてくれた鶴岡高専。では、技術的な面ではどのような工夫を施したのでしょうか。まずは会場を爆笑に巻き込んだプリンの香りについて伺うと、「バニラのエッセンスをスプレーで吹き付けています。次のチームの皆さん、匂いが残ってすいません(笑)」(鶴岡高専の皆さん)。

ロボットの機構については、装飾が多い分、できるだけシンプルな構造・機構にするよう心掛けたそうです。具体的には、例えば、腰部より上には装飾となるプリン以外機構をなくして、低重心にしています。そして、脚はできるだけ大きくして、安定感を狙いました。

「特に、ロボットと乗り物の連結方法は考えました。ロボットが乗り物の中に入り込むことで、牽引や推進と比べて旋回を簡単にすることができました。また、連結時の歩行が安定します」。

では電気工学上の工夫はどのような点にあるのでしょうか。
「電気回路はできるだけモジュール化(機能的に独立した構成要素群に集約すること)しました。これによりシンプルな回路になるので、誰でも使えるものにしました」。"シンプルisベスト"、その考え方は電気でも同じようです。さらに、「モーターは、モータードライバー回路と呼ばれる大電流出力が可能な方式で制御しています。ただし大電流である分、放熱性が高いので、その点は気をつけました」と語ってくれました。

ゴールゾーンまでもう少し。惜しい!

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