オール電化住宅 未来のエコハウスは、電気工学がつくる

環境にやさしい、オール電化住宅

環境にやさしい社会をつくるには家庭部門においてもCO2排出の削減が必要で、今後、太陽電池を設置したオール電化住宅が徐々に増えてくることが予想されています。そこで、近未来のオール電化住宅にはどういった電気工学の技術が使われているのかを見てみましょう。

電気工学が大活躍!これが未来のエコ住宅

エコキュート

エコキュートは、冷媒にCO2を使用したヒートポンプで、大気の熱を有効に活用してお風呂、給湯、床暖房などに使用するものです。電気エネルギーを熱エネルギーに変換するのではなく、大気の熱を集めて移動させる動力などに電気が使用されるだけなので、消費する電気エネルギーの3倍以上の熱エネルギーを利用することができます。また、石油などを燃やす従来の暖房に比べ省エネで、CO2も排出しません。このヒートポンプには、高性能モーターやインバーターなどの電気工学分野の技術が使用されています。

電気式ヒートポンプによる暖房の場合(例)

電気自動車

電気自動車は、車載のバッテリーに電気を充電し、モーターで走るクルマです。エンジンなどの内燃機関を使用しないため、走行中はCO2を全く排出しない、まさに究極のエコカーと言えるでしょう。減速時に充電をすることができるなど、エネルギーの消費効率(燃費)が良いのも大きな魅力です。2010年4月には、日本初の量産型電気自動車、三菱自動車『i-MiEV(アイ・ミーブ)』が発売。いよいよ家庭のコンセントだけで、クルマが走る時代がやってきます!

電気自動車は、電気工学技術によって実現した自動車です。バッテリー、モーター、インバーター、充電器など、電気自動車の根幹を支える機能は全て電気工学に関わる技術です。

慶應義塾大学が中心となって開発された、時速370kmを誇る電気自動車『エリーカ(Eliica)』

電気自動車は加速性能も優れている
慶應義塾大学が中心となって開発された、時速370kmを誇る電気自動車『エリーカ(Eliica)』

太陽光発電

家庭用太陽光発電の仕組み

太陽光発電は、太陽電池を利用して、太陽光エネルギーを電気に変える発電システムです。自然の力で電気をつくるため、石油などの化石燃料と違って、埋蔵量に関係なくエネルギーを創出することができます。現在、各家庭での導入が進んでおり、自家発電が可能となっています。自家発電した電気は、家で使う他、電力会社に売ることも可能です。例えば日中に電気をほとんど使用しない場合は、余った電気を電力会社へ売ることもできます。太陽光発電は、電力系統や電力変換、電気回路、電力制御など電気工学の知識がなければ、実現不可能な技術です。

その他(IHクッキングヒーター、LED照明、ホームセキュリティ)

IHクッキングヒーター

IHクッキングヒーターは、火を使わず鍋自体を加熱させる調理器です。コイルに電流を流して磁力線を発生させ、その磁力線で鍋にうず電流を生じさせて鍋自体を加熱させます。IHクッキングヒーターそのものは熱くならないので、引火の心配がありません。もちろん、火を使っていないので、CO2も排出していません。
このIHクッキングヒーターには、電磁誘導の原理が利用されています。

家庭用太陽光発電の仕組み

LED照明

LED照明は、発光ダイオードを照明に利用したもので、今までのに照明装置に比べて、省エネかつ長寿命が期待できます。照明も電気工学の学問分野のひとつです。

ホームセキュリティ

ホームセキュリティには、防犯、火災等を検知する各種センサーを使用しています。これらセンサーを制御するのに電気工学の技術が適用されています。

エコキュート開発者インタビュー

建築家インタビュー

この記事に関連する電気工学のキーワード

  • 太陽光発電
  • 電気自動車
  • 電気利用