vol.17 三菱電機株式会社

ものづくりの現場に、 電気の専門家として貢献したい。

社会人インタビュー vol.17

ものづくりの現場に、 電気の専門家として貢献したい。

三菱電機株式会社
木下 遥(きのした はるか)さん

中学時代に電気の面白さに目覚め、高専から大学へと勉強を続けた、木下遥さん。仕事として選んだのは、製造現場の近くで量産のサポート役として貢献する道でした。現在、電気の専門家として最前線で活躍中です。
※取材は、兵庫県尼崎市にある三菱電機株式会社・生産技術センターで行いました。

プロフィール

2006年3月
福井工業高等専門学校 電気工学科卒業
2008年3月
千葉大学 工学部 電子機械工学科卒業(劉研究室)
2010年3月
千葉大学大学院 工学研究科 人工システム科学専攻 電気電子系コース修了(劉研究室)
2010年4月
三菱電機株式会社 入社
2010年7月
三菱電機株式会社 生産技術センター パワーモジュール・システム技術推進部 システム実装グループ配属
2012年4月現在
三菱電機株式会社 生産技術センター システム実装技術推進部 パワエレ機器技術グループに勤務(LED照明、エレベーターなどの電源回路設計業務)

※2012年2月現在。文章中の敬称は略させていただきました。

製造現場をサポートするプロフェッショナルとして

三菱電機へ入社された2010年。リーマンショック後の就職氷河期ということで、就職活動は大変だったようですね。

木下:パワエレで大電力を扱う企業を志望していたので、東芝三菱電機産業システムさんを第一志望にしていました。ところがリーマンショック後ということで採用がはっきりせず、求人が出ませんでした。そこで、今のうちに親会社の研究所も見ておこうと思って三菱電機を訪問し、今の私が所属する部署を見学しました。すると翌日に「よかったら来ませんか」と(笑)。

すごい!予想外の展開でしたね。

木下:ええ。後でたずねたら「最初は硬かった表情が、実験室に入った瞬間にものすごく嬉しそうに変わったのがよかった」などと、評価されたそうです。私はというと、小型でも電源を扱っている部署だったことと、工場の現場から仕事をもらっていること、実験室でははんだごても握れるといったところがいいなと思いました。

現在のお仕事を教えてください。

木下:主な仕事は、LED照明用電源の開発です。私たちが直接に製品を作るのではなく、三菱電機の各事業所や関係会社からの依頼で開発を行っています。実際に量産化するためのサポートですね。

三菱電機さんの各事業所のお仕事となると、出張も多そうですね。

木下:はい、普通は1~2週間に1度ですが、多い時は週のうち4日間も行くこともあります。行き先は日本全国ほとんどです。工場へ行って、技術者の皆さんとどうやって量産化にもっていくかを、打ち合わせします。内容によっては数日間滞在して詰めていきます。

今までお仕事をされていて、印象に残っているエピソードを教えてください。

木下:弊社にはトレーナー制度があり、入社して3年間は先輩からマンツーマンで指導を受けることになっています。ところが私が2年目の時、その先輩が他の仕事に忙殺されてしまって、LED照明の電源を一人で設計することになってしまったのです。

それは大変ですね!

木下:はい。お客様の前ですから、たとえ経験がなくても、「電源設計の専門家です」という顔をしなくてはなりません。出張も私一人で行き、依頼元の事業所でベテランの技術者の方と打ち合わせをしました。まわりの方の力添えがあって、何とか仕事は遂行できましたが、自分の作った回路がそのまま製品となって量産されるプレッシャーは、忘れられません。設計資料を残すことの大切さや納得するまで考え尽くすことの重要さなどを学ぶことができましたね。

自分の携わったものが製品となって市場に出るというのは、やりがいがありますか。

木下:はい、あります。ただ、製品作りの主役はそれぞれの事業所や工場ですので、私たちはあくまで陰ながらお手伝いさせていただく立場です。そこが難しいと同時に面白さでもありますね。

三菱電機のLED照明製品「EL-G3000WM」の外観です。

LED照明製品「EL-G3000WM」を開けると、木下さんが手掛けた電源が入っています(赤線で囲っている箇所です)。

電源内の回路を特別に見せていただきました。
電気回路は電気工学の基本です。

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