エコキュートの普及で地球温暖化は防げる。

現在のエコキュートの性能を教えてください。

パナソニックが2009年度に発表したエコキュート(品番:HE-KU37CXS)の年間給湯効率(APF)は3.7となっています。APFが高いほど省エネルギー機器と言えます。分かり易く説明すると、消費した電気エネルギーの3.7倍もの熱エネルギーを得ることができることを意味しています。私が手掛けた初期の頃と比較すると約20%の高効率化を実現しており、着実にエコキュートは高効率化しています。

年間給湯効率

※年間給湯効率とは、消費者の使用実態を考慮に入れた給湯効率を示すためのもので、一年を通してある一定の条件をもとにヒートポンプ給湯機を運転した時の単位消費電力量あたりの給湯熱量を表したものです。

エコキュートのさらなる高効率化を図るため、電気工学に期待することは何ですか。

さらなる高効率化のためには、電装品に使用されている部品のさらなる低損失化やモーター制御技術の進展が必要です。また、さらなるエコキュートの普及のためには高効率化は勿論のこと、それらをお客様のお求め易い価格で提供することが必要です。それら全ての実現のためには電気回路の技術や電子部品に関する知識が必要不可欠であり、電気工学への期待値がより一層高まっています。

エコキュートが普及することによって、私たちの社会はどのように変わりますか。

清水教授から電気工学にメッセージ

大幅なCO2削減が可能となります。家庭における消費エネルギーのうち、給湯に使うエネルギーは全体の約1/3にもなり、この給湯エネルギーを少しでも減らすことが省エネと環境対策のポイントです。エコキュートは従来の給湯装置と比較して給湯エネルギーを約1/3に低減でき、大きく二酸化炭素の排出量を抑制できるため、地球温暖化防止に大いに役立たせることができるのです。

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