去る8月5日(日)、鈴鹿サーキットで「2018 Ene-1 GP SUZUKA」が開催されました。
パワーアカデミーでは、本大会の趣旨に賛同し協賛するとともに、パワーアカデミー賞を設置し猛暑の中奮闘する学生を応援しております。
今回も、炎天下の中繰り広げられた熱戦の模様をお伝えします。

Ene-1 GPとは?

Ene-1 GPとは、充電式単三電池40本のみを動力源とした次世代エネルギーカーイベントで、車両部門(KV-40)と二輪車部門(KV-BIKE)があります。2011年(BIKEは2014年)から始まり、年々参加チームが増加しており、今大会ではKV-40で95チーム、KV-BIKEで39チームが参加し、益々の盛り上がりを見せています。

大会概要

開催日 2018年8月5日(日)
競技会場 鈴鹿サーキット国際レーシングコース
主催 株式会社モビリティランド
後援 スポーツ庁、三重県、鈴鹿市、鈴鹿F1日本グランプリ地域活性化協議会、一般社団法人鈴鹿市観光協会、鈴鹿商工会議所、三重県教育委員会、 公益社団法人全国工業高等学校長協会
オフィシャルパートナー パナソニック株式会社、株式会社ミツバ、株式会社第三銀行、トリナ・ソーラー・ジャパン株式会社
協賛 パワーアカデミー、住友電装株式会社、有限会社三鈴印刷
公式サイト http://www.suzukacircuit.jp/ene1gp_s/

競技内容

車両部門(KV-40)は、F1でお馴染みの鈴鹿サーキット国際レーシングコース(一周約5.8km)のタイムアタックを3回行い、その合計タイムを競うものです。
本コースはアップダウンが激しく(高低差約40m)、車体に負担のかかるカーブが連続するため、非常にタフなコースとなっています。
また、競技開始以降、電池の追加充電はできないため、速いタイムを記録しつつ、3回のタイムアタックを完走できるようなエネルギーマネジメントが必要となります。1周目を如何に早く走行しても、2周目、3周目にエネルギーが残っていないとリタイアしてしまいます。パワーアカデミーでは、このエネルギーマネジメントを重要とする競技内容に賛同し、パワーアカデミー賞を設定しました。

高校生チームの三連覇か? 社会人・大学生チームが意地を見せるか?

連日記録的な猛暑が続き、朝から太陽がさんさんと照りつける中、午前9時半にレースが開始されました。1st Attackでは、大会三連覇を目指すゼッケン№1飯田OIDE長姫高校原動機部Aが、昨年自らが作ったコースレコード(5分40秒119)に1秒427と迫る5分41秒546(平均時速:約61km)という圧巻の走りでファーストラップを獲得。社会人チームの木本工作所も負けじとトップと0秒183差の2位につけ、さらに飯田OIDE長姫高校原動機部Bが同0秒589差の3位に入りました。昨年の総合上位3チームが、今年の1st Attackでも上位3位を独占し、しかも4位以下に16秒以上の差をつけるという、圧倒的な力を見せつけたレースとなりました。
今年もこの3チームで決まるのか、他のチームが一矢報いるのか、速さだけではなく、電池の残量を計算しつつ、3周の完走を目指したエネルギーマネジメントが必要となるのが本競技の醍醐味です。
2nd Attackでは、木本工作所が意地を見せ、2位の飯田OIDE長姫高校原動機部Aに3秒差をつけトップに躍り出ると、Final Attackでも木本工作所が圧倒的な速さでトップを守り、見事優勝を飾りました。(3周のトータルタイム:17分31秒340、昨年の優勝タイムよりも2秒以上早い!)

今年も様々な形状をした車体が大会を盛り上げました。

ダンロップコーナーで繰り広げられるドラマ

本コースの最難関ポイントの一つが、コース序盤にあるダンロップコーナーと呼ばれる勾配7.8%の上り坂です。優勝を目指すチームは難なく攻略していきますが、完走を目指すチームにとっては、正にレースの正念場となる箇所で、ここでリタイアしてしまうチームも多くあります。
今年も、蛇行しながらゆっくり攻略するチームや、何度も止まってしまいながらも都度修理し攻略するチーム、それらを見守り応援するチームメート(修理はドライバーのみでしか出来ず、チームメートも手を貸すことはできない)や父兄の姿など、数々のドラマが展開されました。
このダンロップコーナーは、「激感エリア」と称して、コース真横というレース好きには堪らない近さで観戦・応援が出来るエリアとなっています。まずは観戦してみたいという方は、ここで多くのドラマを体感して欲しい。きっとファンになると思います。

パワーアカデミー賞の行方は?

パワーアカデミー賞では、学生チームを対象に、速さを追及するのではなく、事前に申告した目標タイム(3つのターゲットタイム(24分、36分、48分)のいずれか)と実走行の3周合計タイムの時間差が最も小さいチーム(各ターゲットタイムに1チーム)をエネルギーマネジメントに優れているということで表彰しています。
今大会では、参加した全学生チーム74チーム中58チーム(約78%)にエントリー頂き、多くの学生に関心を持って頂けたことに事務局としても感謝しております。
ターゲット1(24分)では、紀北工業高等学校ものづくり研究部が、ターゲットタイムと42秒差(完走タイム23分18秒)で第1位となり、ターゲット2(36分)では、名古屋工学院専門学校Aが僅か25秒差(完走タイム36分25秒)、ターゲット3(48分)では、三谷水産高校機関部が51秒差(完走タイム48分51秒)でそれぞれ第1位となりました。今大会では3チームともターゲットタイムとの差が1分以内という非常に優れた成績で受賞されました。おめでとうございました。
表彰式では、早川直樹パワーアカデミー大学検討委員会委員(名古屋大学教授)から、受賞者に記念の楯と副賞(図書カード)が授与されました。

左から早川委員、ターゲット2の第1位の名古屋工学院専門学校A、ターゲット1の第1位の紀北工業高等学校ものづくり研究部、ターゲット3の第1位の三谷水産高校 機関部

ターゲット1(24分) 1位 紀北工業高等学校 ものづくり研究部
ターゲット2(36分) 名古屋工学院専門学校A
ターゲット3(48分) 三谷水産高校 機関部

紀北工業高等学校ものづくり研究部
紀北 TECH EV

名古屋工学院専門学校A
ATSUTA-01改3

三谷水産高校 機関部