英語名spinning reserve

電力系統においては、天候急変等による需要の急増、あるいは電源を即時もしくは短時間に停止・出力抑制しなければならない事態の発生等により、供給力に不足が生じても、常に規定周波数を保持し、安定した供給を維持しなければならない。このような供給力不足を生じた場合、停止中の設備を起動し、供給力の増加を図るが、火力機等では負荷をとるまでに長時間を要する。したがって、この間を即時に発電可能な供給力および短時間内(10分程度以内)に起動して負荷をとることのできる供給力で、供給力不足を補う必要がある。この不足分を補うための予備力を運転予備力といい、部分負荷運転中の発電機余力、停止待機中の水力およびコンバインドサイクル発電機・ガスタービン発電機等が該当する。
運転予備力の必要保有量は、電力系統の安定運用面と経済運用面の両者から決められる。日々の運転予備力の決定に当たっては、事故の確率、需要の想定誤差、常時の周波数調整分等を考慮して決められるが、通常は需要に対し3%以上必要とされている。運転予備力の運用は季節によっても、また時間帯によっても異なり、水力による分担方法と火力による分担方法とがある。

出典)「電気事業事典」電気事業講座2008 別巻 ((株)エネルギーフォーラム 発行)

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