英語名advanced thermal reactor

核燃料の有効利用、燃料の多様化を図り、濃縮ウランヘの依存度を減らすために開発された動力炉であって、軽水炉より高い転換比をもつように設計されている。その主流をなすものは、重水減速型であって、中性子経済がよく天然ウランでも高い燃焼度が得られる。わが国では、1967年以来、動力炉・核燃料開発事業団が中心となり、自主技術により開発を進め、1979年3月に運転を開始したATR原型炉「ふげん」(16万5,000kW)がある。その特徴としては、①微濃縮ウラン、劣化ウラン、プルトニウム等が利用でき、燃料情勢変化に対する適応性が高く燃料の多様化が図れる、②微濃縮ウラン、劣化ウランを利用でき、転換率が大きいためウラン資源の有効利用度が比較的高い、③減速材には重水を用い、冷却材としては軽水を用いている、④原子炉はたて置圧力管型である、等があげられる。しかし、重水価格が極めて高いため資本費が増加することおよび重水の漏えい、トリチウム障害等の難点もある。なお、電源開発(株)によりATR実証炉(60万6,000kW)の建設計画が進められていたが、1995年に経済性を理由に中止された。

出典)「電気事業事典」電気事業講座2008 別巻 ((株)エネルギーフォーラム 発行)

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