英語名silicone-oil-immersed transformer

現在、変電所では油入機器を使用していることからさまざまな防災対策が適用されているが、一方で燃えない設備の開発、実用化も進んでいる。燃焼するとシリカ層とシリコーンゲル層が形成されて酸素の供給を遮断し、燃焼が抑制される自己消炎機能を有するシリコーン油を用いた変圧器の開発・実用化がその一例である。シリコーン油が、万一地上に漏れた場合でも、加水分解し、ケイ素とCO2(二酸化炭素)、水に分解することから環境面でも優れた変電設備と言える。シリコーン油入変圧器は電鉄用変圧器としての実績は多くあるが、シリコーン油の粘性が高く、高価であるため、変電所用変圧器としてはあまり普及しなかった。
近年では低粘度のシリコーン油を採用することにより、変電所への採用も検討されており、製品化されれば、絶縁冷却液の取り扱い基準の簡素化や消化設備の削減のほか、耐熱クラスアップ(E種:120℃)による冷却装置のコンパクト化も期待できる。現在、66kV用のものが実用化されているが、更なる高電圧化が望まれる。

出典)「電気事業事典」電気事業講座2008 別巻 ((株)エネルギーフォーラム 発行)

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