英語名cross-linked polyethylene

CVケーブル(Cross-linked polyethylene insulated polyvinylchloride sheathed cable)の絶縁材料である。架橋ポリエチレンはポリエチレンの分子間に橋かけ(架橋)を行い網状の分子構造にしたものであり、3種類の架橋の方法がある。その一つは高エネルギーの電子線やγ線を照射する方法であるが、照射設備の面で厚肉の電力ケーブルには適さずフィルムや機器配線用の電線に限定されている。第2は、ポリエチレン有機シラン化合物を混合し、触媒の存在下で水を外側から浸透させて架橋させる方法であり、架橋装置が不要なことから低圧ケーブルや制御用ケーブル等に使用されている。
しかし、現在電力ケーブルの製造に用いられているのは、主としてポリエチレンのなかに有機過酸化物(架橋剤)を混入して加熱することにより反応を起こさせて架橋する方法である。過酸化物(架橋剤)としては“ジクミルパーオキサイド(DCP)”や“2.5-ジメチルジターシャリーブチルペルオキシヘキサン”等がある。架橋ポリエチレンの特徴はポリエチレンと比較して耐熱性、機械的性能が向上し、同時に電気的性能(誘電率、誘電正接、電気破壊性能等)はほとんど大差がなく、ポリエチレンの優秀な諸性能を有していることである。したがって架橋ポリエチレンは連続最高許容温度を90℃で使用している。
なお、無機系充填剤や添加剤を加え、さらに耐熱性を向上させた架橋ポリエチレンも検討されている。架橋ポリエチレンの物性的な面では熱変形特性、熱老化特性、耐き裂性がポリエチレンと比較して非常に優秀な特性を示す。

出典)「電気事業事典」電気事業講座2008 別巻 ((株)エネルギーフォーラム 発行)

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