(加圧)流動床ボイラ
英語名fluidized bed boiler
石炭等の固体粒子の充てん層の下部から空気等のガスを流すことによって、粒子が激しく不規則に動き回る状態(浮遊流動化)となった固体粒子層を流動層といい、この流動層中で石炭を燃焼(流動床燃焼)させ、伝熱管を配置して発生する熱を効率良く吸収しようとするものが流動床ボイラである。
石炭を燃料とする場合、
・ 層内の熱平衡が急速に進み、ほとんど均一の温度になるので、伝熱管への熱伝達率が高くなり、装置構成がコンパクト化できる
・ 層内脱硫が可能なうえ、NOx(窒素酸化物)の発生量も少ないため、排煙処理が軽減される
・ 燃焼が安定に行われるので、炭種に制限が少なく低品位炭の利用も可能である
・ 粗粉炭を使用できるので微粉砕設備を必要としない
等の特徴を有している。
流動床ボイラは、流動床燃焼を大気圧状態(常圧)で行う定常型と、1MPa程度の加圧下で行う加圧型に区分できる。加圧型は常圧型に比べて燃焼効率が高く、設備もコンパクトにできる特徴があり、流動床ボイラとガスタービンを組み合わせ複合発電システム(PFBC)とすることで熱効率の向上を図ることができる。
出典)「電気事業事典」電気事業講座2008 別巻 ((株)エネルギーフォーラム 発行)