無拘束速度

英語名runaway speed

ある有効落差・ガイドベーンの開度および吸い出し高さにおいて、水車が無負荷で回転する速度をいい、これらのうち起こり得る最大のものを最大無拘束速度という。一般に無拘束速度といえば最大値を表すことが多い。水車発電機の設計に当たっては、無拘束速度で回転した場合の各部の遠心力による耐力を充分考える必要があるとともに、水車および発電機の軸系の固有振動数（危険速度）が、無拘束速度より高い値となっていなければならない。
カプラン水車や斜流水車のような可動羽根水車の最大無拘束速度は、ガイドベーン（案内静翼）開度とランナベーン（動翼）角度との関係が崩れた場合に生じ得る値をとる。水車が平常運転状態から無拘束速度に至る原因には、水車の負荷が急激に無負荷になった場合、調速機故障の場合等がある。無拘束速度は水車の機種によって相違があり、その最大値は定格回転速度に対して一般にペルトン水車（150～220％）、フランシス水車（160～220％）、斜流水車（180～230％）、カプラン水車（200～250％）の範囲となっている。

出典）「電気事業事典」電気事業講座2008 別巻　((株)エネルギーフォーラム 発行)

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