英語名Liquefied Natural Gas

CH4(メタン)、C2H6(エタン)を主成分とする天然ガスを極低温まで冷却して液化したものであり、その組成は生産地によって若干異なるが、約9割がCH4で占められている。CH4は常温・常圧で気体であるが、マイナス162℃という極低温まで冷却すると液化し、体積は600分の1となる特性をもっている。低温技術が発達した結果、この特性を利用して大量の天然ガスを海上輸送することが可能となり、生産地から遠く離れた地域でも消費できるようになった。
天然ガスは炭化水素の他に硫黄分、窒素分、炭酸ガス、水分、塵といった不純物を含んでいるが、これらは液化に当たっての前処理や液化の過程で全て除去されるため、精製されたLNGは極めて純度の高いクリーンなエネルギーとなる。従ってLNGを燃料として使用しても、SOx(硫黄酸化物)の排出はない。またNOx(窒素酸化物)についても、燃料を高温で燃焼する時に空気中の窒素と酸素が化合する、いわゆるサーマルNOxは発生するが、LNGは原重油に比べて燃焼温度が低いため、その発生は非常に少ない。LNGのプロジェクトは、・天然ガスの深鉱・開発・生産、・液化・貯蔵設備の建設、・海上輸送のためのLNG船の建造、・消費地での貯蔵・再気化設備の建設の各分野にわたって極めて多額の資金を必要とする。わが国の2005年度における地域別LNG輸入量は次の通りである。インドネシア:1,426万t、マレーシア:1,360万t、オーストラリア:1,015万t、カタール:633万t、ブルネイ:627万t、アラブ首長国連邦:513万t、アメリカ:125万t、オマーン:97万t、アルジェリア:6万t、合計:5,801万tとなっている。

出典)「電気事業事典」電気事業講座2008 別巻 ((株)エネルギーフォーラム 発行)

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