英語名thermal efficiency

系に投入された熱エネルギーのうち、有効に取り出されたエネルギーの割合を示すもので、火力発電においては、消費した燃料の熱エネルギーに対する発生電力量を指すのが一般的。火力発電プラントの熱効率を定義する場合、電力量としては発電機の端子におけるものと、これから所内の補機に使用した電力量を差し引いたものとがあり、それぞれ発電端熱効率、送電端熱効率と呼ぶ。すなわち燃料の総発熱量をQ(kcal)、発電端電力量をG(kWh)、所内電力量をG´(kWh)とすると、
発電端熱効率=G×860/Q×100(%)
送電端熱効率=(G-G´)×860/Q×100(%)
となる。このとき、燃料の発熱量としては高位発熱量を使用するのが一般的である。熱エネルギーから電気エネルギーへの変換効率は、近年の大容量火力発電プラント(再熱再生サイクル)においては、発電端で40~42%程度であり、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせて発電するコンバインドサイクル発電方式を採用した発電プラントでは44~46%の熱効率を達成している。また、50%を目指したコンバインドサイクル発電プラントの建設計画もある。熱効率およびこれに類するものとしては、次のようなものがある。
①ボイラ効率 ボイラで消費した燃料の総発熱量に対し、ボイラ内で給水および蒸気に与えられた熱エネルギーの割合。
②タービン内部効率 タービン入口の蒸気が出口の圧力に至るまでに利用し得る熱エネルギー(断熱熱落差)に対し、タービン内部で仕事に変換された熱エネルギーの割合。
③タービン有効効率 断熱熱落差に対し、タービン軸端において得られる有効仕事の割合。これはタービン内部効率と機械効率の積に等しい。
④タービンプラント効率(タービン熱効率) タービン本体の他に復水器、給水加熱器等を含めたタービンプラントとしての効率を表すもので、これとボイラ効率と発電機効率の積が発電端熱効率となる。

出典)「電気事業事典」電気事業講座2008 別巻 ((株)エネルギーフォーラム 発行)

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