英語名voltage regulation

電力系統の電圧は、需要および供給力の変動により刻々変化するが、この変化を一定の範囲に収め、需要家が電気機器を支障なく使用できるよう電圧の安定維持を図ることが必要である。この許容電圧範囲については、低電圧に関しては電気事業法第26条および電気事業法施行規則第44条により、101±6Vあるいは202±20Vと定められている。高電圧以上に関してはとくに規定されていないが、前記規則に準じて電圧変動目標幅を定めてその維持に努めている。近年の技術革新により、電子計算機や自動制御機器等各種電子応用機器が広範にわたって使用されており、供給電圧に対する需要家からの質的要請はますます厳しくなっており、各電力会社ではこのような要請に応じ、多くの自動制御機器によって適正電圧に維持するよう努めている。
一方、電力系統においては電力需要の増大と共に、電源の遠隔・大容量化、送電線の長距離・高電圧化やケーブル系統の増大等、系統構成面で質的変化が生じている。したがって、サービスレベルの維持向上という面だけでなく、電力系統の安定運用、無効電力の適正配分による送電損失の軽減および設備利用率の向上等の経済的運用という観点からも、適正な系統電圧の維持が必要である。適正電圧を維持するには、電力系統に散在する各電気所の無効電力を制御する必要があり、発電機の電圧、力率調整や電圧調整装置および各種調相設備の総合運用によって、電圧・無効電力の調整を行っている。

出典)「電気事業事典」電気事業講座2008 別巻 ((株)エネルギーフォーラム 発行)

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