去る7月31日(日)、鈴鹿サーキットにて「2022 Ene-1 SUZUKA Challenge」が開催されました。
パワーアカデミーでは、本大会の趣旨に賛同し協賛するとともに、パワーアカデミー賞を設置し猛暑の中奮闘する学生を応援しております。
今回も、炎天下の中繰り広げられた熱戦の模様をお伝えします。

Ene-1 Challengeとは?

充電式単三電池40本のみを動力源とした次世代エネルギーカーイベントで、車両部門(KV-40)と二輪車部門(KV-Moto)があります。2011年(KV-Motoの前身であるKV-BIKEは2014年)から始まり、年々参加チームが増加しており、今大会ではKV-40で98チーム、KV-Motoで39チームが参加し、益々の盛り上がりを見せています。

大会概要

開催日 2022年7月31日(日)
競技会場 鈴鹿サーキット国際レーシングコース
主催 ホンダモビリティランド株式会社
後援 三重県、鈴鹿市、鈴鹿F1日本グランプリ地域活性化協議会、
一般社団法人鈴鹿市観光協会、鈴鹿商工会議所、三重県教育委員会、
公益社団法人全国工業高等学校長協会
オフィシャルパートナー パナソニック株式会社、株式会社ミツバ、住友電装株式会社、
パワーアカデミー
協賛 有限会社三鈴印刷
公式サイト https://www.suzukacircuit.jp/ene1-challenge/

競技内容

車両部門(KV-40)は、F1でお馴染みの鈴鹿サーキット国際レーシングコース(一周約5.8km)での1周のタイムアタックを3回行い、その合計タイムを競うものです。
本コースはアップダウンが激しく(高低差約40m)、車体に負担のかかるカーブが連続するため、非常にタフなコースとなっています。
また、競技開始以降、電池の追加充電はできないため、速いタイムを記録しつつ、3回のタイムアタックを完走できるようなエネルギーマネジメントが必要となります。1周目を如何に早く走行しても、2周目、3周目にエネルギーが残っていないとリタイアしてしまいます。パワーアカデミーでは、このエネルギーマネジメントを重要とする競技内容に賛同し、パワーアカデミー賞を設定しました。

社会人チームの連覇か?高校生・大学生チームが意地を見せるか?

太陽がさんさんと照りつけ、大会特有の熱気が感じられる中、午前9時から16時台にわたってレースが開催されました。1st Attackでは昨年1位の社会人チーム『木本工作所』が、今回大会記録(5分32秒469、平均時速:約63km)となる圧巻の走りを見せました。その後、2nd Attack・3rd Attackにおいても全チーム中トップの記録を収め、見事大会4連覇を果たしました(合計タイム17分10秒505)。昨年2位の社会人チーム『404ecorun』(合計タイム17分50秒044)、昨年3位の高校生チーム『長野県飯田OIDE長姫高校 原動機部A』(合計タイム18分44秒613)も次々と好記録を打ち立て、今回大会においても見事2位、3位を飾りました。

今回大会では、例年にも増す酷暑の影響もあり選手やマシンにとっては厳しいコンディションとなりました。完走率は約36%(エントリー98チーム中、35チーム)となり、惜しくも完走を果たせなかったチームも多くいる中、1stや2ndでは完走できずとも諦めず3rd Attackを走りきるチームもいるなど、出場チーム全員が思いを込めて大会を盛り上げてくれました。

大会を彩るユニークな車体の数々

フルカウル型やドライバー剥き出し型など、今年も様々な車体が活躍しました。

ダンロップコーナーで繰り広げられるドラマ

本コースの最難関ポイントの一つが、コース序盤にあるダンロップコーナーと呼ばれる勾配7.8%の上り坂です。優勝を目指すチームは難なく攻略していきますが、完走を目指すチームにとっては、正にレースの正念場となる箇所で、ここでリタイアしてしまうチームも多くあります。
今年も、上り坂とは思えないほど加速し、他チームを追い抜いていくチームもあれば、何度も止まってしまいながらも都度修理し攻略するチームなど、数々のドラマが展開されました。
このダンロップコーナーは、「激感エリア」と称して、コース真横というレース好きには堪らない近さで観戦・応援が出来るエリアとなっています。まずは観戦してみたいという方は、ここで多くのドラマを体感して欲しいと思います。

パワーアカデミー賞の行方は?

パワーアカデミー賞では、学生チームを対象に、速さを追及するのではなく、事前に申告した目標のターゲットタイム(24分、36分、48分、60分)と実走行の3周合計タイムのタイム差が最も小さいチーム(各ターゲットタイム毎に1チーム)と、前回リタイアしたチームの中で今回完走した一番タイムの速かった1チーム(リベンジ賞)をエネルギーマネジメントに優れているということで表彰しています。
今大会では、参加した全学生チーム76チーム中46チーム(約61%)にエントリー頂き、多くの学生に関心を持って頂けたことに事務局としても感謝しております。
パワーアカデミー賞の受賞チームですが、ターゲット1(24分賞)は『三重県立津工業高等学校』、ターゲット2(36分賞)は『名城大学エコノパワークラブ』、ターゲット3(48分賞)は『長野県飯田OIDE長姫高校 原動機部C』、ターゲット5(リベンジ賞)は『愛知県立豊橋工科高等学校 定時制』がそれぞれ受賞となりました。中でもターゲット1(24分)の三重県立津工業高等学校チームは、ターゲットタイムと20秒差という秀逸なマネジメントを見せてくれました。今回、受賞されたチームの皆さま、本当におめでとうございました。
なお、ターゲット4(60分賞)では同カテゴリーにエントリーされた4チームに完走者がいなかったことから、残念ながら受賞者無しとなりました。3周目のFinal Attackの時点で完走者は1チームとなったため、無事の完走が期待されましたが、惜しくもリタイアとなり改めてエネルギーマネジメントの難しさを実感いたしました。
表彰式では、新型コロナウイルス感染対策のもと、受賞者への記念の楯と副賞(図書カード)の授与および記念撮影を行いました。

(左)ターゲット1
三重県立津工業高等学校
(右)ターゲット3
長野県飯田OIDE長姫高校
原動機部C

ターゲット2
名城大学エコノパワークラブ

ターゲット5
愛知県立豊橋工科高等学校
定時制

ターゲット1
三重県立津工業高等学校

ターゲット2
名城大学エコノパワークラブ

ターゲット3
長野県飯田OIDE長姫高校
原動機部C

ターゲット4
(受賞者無し)

ターゲット5
愛知県立豊橋工科高等学校
定時制

大会を終えて

興奮・笑い・感動ありのEne-1 SUZUKA Challenge。選手の皆様は充実した表情で会場を後にしていました。
パワーアカデミーでは、今後とも様々な形でPR活動を展開し、広く電気工学分野の魅力を伝え、より一層の発展に寄与してまいります。