本コンテストは、高等専門学校本科生、高等専門学校専攻科生、大学生、大学院生が自らの視点・着眼点で、電気工学に関連したテーマに沿った中学生向けの教材企画を考え、その企画作成・成果活用検討を通して、「電気工学の魅力」や「電気工学を学ぶ楽しさ」を習得することを目的としており、2018年度から始まったコンテスト企画です。

以下に、主催者講評と、第4回コンテスト受賞作品をご紹介します。

(※3月に岡山にて開催を予定していた表彰式は、新型コロナウイルス感染症の影響に鑑み、中止となりました。)

「第4回電気工学教材企画コンテスト」 講評パワーアカデミー大学検討委員会委員長 早川 直樹

前回に引き続き、コロナ禍という大変厳しい環境のなか、第4回電気工学教材企画コンテストに意欲的に応募いただきありがとうございました。今回のテーマ「直流と交流」に対する応募案件について、厳正な審査の結果、4件の表彰作品を選考しました。

「直流と交流」という中学生・高校生にとって比較的理解が難しい項目に対して、目に見えない電気の流れの可視化を試みた作品、直流と交流それぞれの長所と短所を分かりやすく説明した作品、プログラミングを取り入れた作品など、教材としての実現性が高く、安全に配慮され、電気を身近に感じてもらえる工夫がみられる作品が多数集まりました。

特に優れた4作品を紹介しますので、作品を通して電気工学について改めて考えるきっかけになったり、電気工学を身近に感じてもらえたりするとうれしく思います。

最後になりましたが、教材企画の指導をされた先生・関係者の方々、本コンテスト協賛の一般社団法人 電気学会、一般社団法人 日本電気協会 に対し、厚く御礼申し上げます。

【最優秀賞】
Arduinoを用いて直流・交流変換をやってみよう(講義プログラム)

日本工業大学薗田 匡司(代表者)、山崎 陽平

受賞コメント

この度は、「第4回 電気工学教材企画コンテスト」で栄えある最優秀賞に選んでいただけましたことを光栄に思います。同じ研究室の友人とこの企画に参加することになり、中学生にわかりやすく、安全で、興味をもってもらえる内容にしようと試行錯誤しました。Arduinoを利用することで、身近にあるものから直流・交流変換を再現でき、実験・学習できる内容としました。実験には、ケガをする恐れのある物は使用しておらず、低電圧なため安全にも配慮しています。本教材を通して、多くの中学生が電気へ興味を持ち、電気工学の発展につながってもらえると嬉しく思います。

【優秀賞】
直流と交流が作る世界を見てみよう~適材適所の直流と交流~(講義プログラム)

名城大学坂井 泰吾(代表者)

受賞コメント

この度は第4回電気工学教材企画コンテスト優秀賞に選んで頂き大変嬉しく思います。この賞を頂くことができたのは、同じ企画での、先輩や先生のアドバイスのお陰だと思っています。この教材を通して、タイトルにあるように、直流と交流は適材適所であることや、数式や文章を実際に絵や映像として「イメージ」することの大事さを感じて頂き、また、「見えないが、当たり前のように人間の暮らしを支えている電気の世界」を可視化する事で、身の回りの景色が変わることを実感して頂ければ嬉しいです。

【優秀賞】
圧電素子を利用した直流と交流の違いを理解する実験教材(講義プログラム)

津山工業高等専門学校山本 彩乃(代表者)、林 純平
志茂 彩菜、西尾 公裕

受賞コメント

この度は「第4回 電気工学教材企画コンテスト」優秀賞に選出して頂き、誠にありがとうございます。この結果は、チーム3人と西尾先生、そして実験の手助けをしてくださった先生方等々...全員の協力があってこそ得たものだと実感しております。

今回この授業プログラムは、圧電素子と再生可能エネルギーに着目しており、自らの知識を使い作製、実験を行うことでより理解を深められるよう作成しました。この教材を通して直流と交流について楽しく学んでもらえたらいいなと思います。

【一般社団法人 日本電気協会賞】
電気のカタチ~直流と交流~(講義プログラム)

名城大学伊勢谷 雄也(代表者)、岡田 剛

受賞コメント

この度は、日本電気協会賞に選出してくださりありがとうございました。コンテストに参加させていただくことで新たな知識や技術を身に付けることができ、私たちも成長できたと考えております。この講義プログラムでは直流と交流の基礎から応用まで幅広く説明しているため講義が2限に分かれています。しかし、分かりやすく且つ面白く説明できているため長時間の講義でも退屈にならないような内容になっています。この講義プログラムを通して中学生の方に少しでも電気に関して興味を持ってもらえれば幸いです。

パワーアカデミーでは、「第5回 電気工学教材企画コンテスト」(テーマ:「電圧と電流」)を開催する予定です。皆様のご応募をお待ちしております。

応募期間:2022年5月10日(火)~2022年11月30日(水)
表彰式:2023年3月(電気学会全国大会会場・名古屋大学)予定)