去る8月6日(日)、鈴鹿サーキットで「2017 Ene-1 GP SUZUKA」が開催されました。
パワーアカデミーでは、昨年より本大会の趣旨に賛同し協賛するとともに、パワーアカデミー賞を設置し猛暑の中奮闘する学生を応援しております。
今回も、炎天下の中繰り広げられた熱戦の模様をお伝えします。

Ene-1 GPとは?

Ene-1 GPとは、充電式単三電池40本のみを動力源とした次世代エネルギーカーイベントで、車両部門(KV-40)と二輪車部門(KV-BIKE)があります。2011年より(BIKEは2014年より)始まり、年々参加台数が増加しており、今大会ではKV-40で95チーム、KV-BIKEで28チームが参加し、益々の盛り上がりを見せています。

大会概要

開催日 2017年8月6日(日)
競技会場 鈴鹿サーキット国際レーシングコース
主催 株式会社モビリティランド
後援 スポーツ庁、三重県、鈴鹿市、鈴鹿F1日本グランプリ地域活性化協議会、
一般社団法人鈴鹿市観光協会、鈴鹿商工会議所、三重県教育委員会、
公益社団法人全国工業高等学校長協会
オフィシャルパートナー パナソニック株式会社、株式会社ミツバ、株式会社第三銀行、
トリナ・ソーラー・ジャパン株式会社
協賛 パワーアカデミー、住友電装株式会社、有限会社三鈴印刷
公式サイト http://www.suzukacircuit.jp/ene1gp_s/

競技内容

車両部門(KV-40)は、F1でお馴染みの鈴鹿サーキット国際レーシングコース(一周約5.8km)のタイムアタックを3回行い、その合計タイムを競うものです。
本コースはアップダウンが激しく(高低差約40m)、車体に負担のかかるカーブが連続するため、非常にタフなコースとなっています。
また、追加充電はできないため、1周目を如何に早く走行しても、2周目、3周目にエネルギーが残っていないと完走できないため、速いタイムを記録しつつ、3回のタイムアタックを完走できるようなエネルギーマネジメントが必要となります。パワーアカデミーでは、このマネジメントを重要とする競技内容に賛同し、パワーアカデミー賞を設定しました。

高校生の二年連続優勝か?社会人・大学生が意地を見せるか?白熱の優勝争い!

台風直撃も予想された中、参加者の強い思いに気圧されたのか、台風の速度も遅くなり昨年同様風もない絶好のコンディションの中、9時35分1st Attackが開始されました。二年連続優勝を目指すゼッケン№1飯田OIDE長姫高校原動機部AのWISDOMが、いきなりコースレコード(5分40秒195)を0秒076更新する5分40秒119(平均時速:約61km)の圧巻の走りでファーストラップを獲得。会場が歓声に包まれました。
2位以下にいきなり9秒以上の差をつけ、今年もこのまま逃げ切るのか、2位以下の社会人を中心とした強豪チームが巻き返してくるのか、速いだけではなく、電池の残量を計算しながら3周を完走しなければならないエネルギーマネジメントも必要となる本競技の醍醐味に期待が膨らみます。
しかし、2nd Attack、Final Attackとも、各チームの猛追を跳ね除け、WISDOMが絶対王者の如く圧倒的な速さで走破し(完走タイム:17分33秒585)、見事二年連続優勝を飾りました。
但し、Final Attackだけを見ると、WISDOMより速いタイムを社会人の2チームが出すなど、簡単には勝たせないという意地が感じられ、特に来年以降の社会人の巻き返しに期待の持てるレース展開でした。

今年も様々な形状をした車体が大会を盛り上げました。

ダンロップコーナーで繰り広げられるドラマ

本コースの最難関ポイントの一つが、コース序盤にあるダンロップコーナーと呼ばれる勾配7.8%の上り坂です。優勝を目指すチームは難なく攻略していきますが、完走を目指すチームにとっては、正にレースの正念場となる箇所で、ここでリタイアするチームも多い。
今年も、蛇行しながらゆっくり攻略するチームや、何度も止まってしまいながらも都度修理し攻略するチーム、それらを見守り応援するチームメート(修理はドライバーのみでしか出来ず、チームメートも手を貸すことはできない)や父兄の姿など、文章では表しきれない数々のドラマが展開されました。
このダンロップコーナーは、「激感エリア」と称して、コース真横というレース好きには堪らない近さで観戦・応援が出来るエリアとなっています。まずは観戦してみたいという方は、ここで多くのドラマを体感して欲しい。きっとファンになると思います。

パワーアカデミー賞の行方は?

ターゲット2の1位泉尾工業高校と横山委員長
(遠方で表彰式不参加のため,別途授与実施)

パワーアカデミー賞は、学生チームを対象に、速さを追及するのではなく、目標タイム(今回はパワーアカデミーで設定した3つのターゲットタイム(24分、36分、48分)のいずれか)を事前に申告し、その各ターゲットタイムと3周合計タイムの時間差が最も小さいチーム(計3チーム)をエネルギーマネジメントに優れているということで表彰することとしました。
今大会では、参加した全学生チーム69チーム中57チーム(約82%)にエントリー頂き、多くの学生に関心を持って頂けたことに事務局としても感謝しております。
ターゲット1(24分)では、Team宮工(宮崎工業高校)の宮工E-09が、ターゲットタイムと僅か12秒差(完走タイム23分48秒)という好記録で第1位となりました。ターゲット2(36分)では、大阪市立泉尾工業高等学校自動車部のT×6が3分06秒差(完走タイム39分06秒)、ターゲット3(48分)では、豊田工業大学とよこうワークスが1分差(完走タイム47分00秒)でそれぞれ第1位となりました。おめでとうございました。
表彰式では、横山明彦パワーアカデミー大学検討委員会委員長(東京大学教授)から、記念の盾と副賞(図書カード)が授与されました。

ターゲット1(24分) 1位 Team宮工(宮崎工業高校)宮工E-09
ターゲット2(36分) 大阪市立泉尾工業高等学校 自動車部 T×6
ターゲット3(48分) 豊田工業大学とよこうワークス

左から横山委員長、ターゲット1の第1位Team宮工、ターゲット3の第1位豊田工業大学