「第6回小水力発電アイデアコンテスト」飛騨高山大会イベントリポート
2017年4月28日
去る3月26日(日)、岐阜県高山市で「第6回小水力発電アイデアコンテスト」飛騨高山大会が開催されました。
パワーアカデミーでは、本コンテストが当アカデミーの主旨である電気工学の発展に寄与するイベントであることから、学生支援と当アカデミーの認知度向上を目的に参加校に記念品を贈ると共に、PRを初めて実施させて頂きました。今回、学生の熱き想いの詰まった本コンテストの模様をお伝えします。
小水力発電アイデアコンテストとは?
東海北陸地方でものづくりを学ぶ高等専門学校(以下、高専)の学生が、地域の自然資源を活用した小水力発電のアイデアを提案し、設計・製作・設置を行い競うコンテストです。2011年度に4校で始まった大会も、現在では7校までに増え、また6回目ともなると複数回チャレンジしている学生も多く、昨年より更に良い装置を作ろうと皆が取り組んでおり益々の盛り上がりを見せています。
大会概要
開催日 | 2017年3月26日(日) |
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競技会場 | 岐阜県高山市丹生川町地内 |
主催 | 第6回小水力発電アイデアコンテスト実行委員会 |
共催 | 株式会社デンソー |
協賛 | 高山市 |
後援 | 独立行政法人国立高等専門学校機構、岐阜県小水力利用推進協議会、高山市教育委員会 |
参加校 | 金沢工業高専、岐阜工業高専、鈴鹿工業高専、鳥羽商船高専、福井工業高専、豊田工業高専、富山高専 【オープン参加】 高山工業高校、(株)デンソー試作部 |
公式サイト | http://mph-contest.org/ |
コンテストまでの長い道のり
本コンテストは、単に発電機をつくるだけというコンテストではありません。約1年前の概要説明から始まり、6月には合同合宿を行い、設置候補となる水路の調査・測量を実施。また、その際地元の方々との交流を通して、地域の課題解決に向けたアイデアを一緒に考えたりもします。その後、約半年をかけて発電装置を設計・製作しコンテスト当日を迎えています。つまり約1年という非常に長い時間をかけて、水力発電を学ぶだけでなく、地域社会や他学科との連携を通して多くの事を学べ、人間的にも成長できるコンテストといえます。
見学会
開会式の後、100名を優に超える一般の参加者はバス5台にわかれ、参加チームそれぞれの発電装置の見学を行い、各校のアピールポイントを見て聞いてまわりました。当日は水量も多く、各チームが工夫を凝らして造り上げた発電装置が勢い良く回転していました。表彰の一つである「地域住民賞」は、一般参加者の投票によって決定されるため、説明する学生も真剣であり、参加者もまた真剣に耳を傾けました。
各校とも過去の大会の教訓を生かし、浮遊ゴミの特性を考えた除去装置や、水位にあわせて高さを簡単に調整できる装置など工夫が随所に施されていました。また、水車(羽根)の設計に関しては、最先端の技術である3Dプリンタを使って試行錯誤したものや、地元の杉や檜を使った斬新なものも目を引きました。また、発生電力の用途に関しても、地元の方との対話や周辺環境を考え、散水装置や融雪装置など斬新なアイデアも多く、どれも甲乙つけ難い努力と結晶が詰まった素晴らしい装置ばかりでした。
文化ホールでのプレゼンと表彰式
午後からは、開会式の会場に戻っての各校のプレゼンテーションと表彰式が実施されました。
各校プレゼンの前に、パワーアカデミーでは少しお時間を頂き、今回一緒にご参加頂いた名古屋大学小島寛樹准教授に、パワーアカデミーの活動をPRして頂きました。学生や一般の皆さまに少しでも興味を持って頂けると幸いです。
各校のプレゼン、苦労した点を語り合うパネルディスカッションの後は、いよいよ表彰式です。各賞は以下の通り。岐阜工業高専が初の大賞を受賞しました。また、今回オープン参加という形で地元の高山杉を使って挑戦した高山工業高校が地域住民賞と特別賞を受賞しました。
大 賞 | 岐阜工業高専 |
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技 術 賞 | 豊田工業高専 |
アイデア賞 | 岐阜工業高専 |
地域住民賞 | 高山工業高校 |
高山市長賞 | 鳥羽商船高専 |
特 別 賞 | 高山工業高校 |
最後は、参加者全員で記念撮影です。学生たちは何度も顔を合わせている仲間もいますので、和気あいあいとしたムードの中、お互いの健闘を称えあっていました。そして、すぐに次回大会への準備が始まります。次回大会は石川県白山市で予定されています。また一段と成長した彼等彼女等に逢えることを楽しみにしています。
最後に、今回、パワーアカデミー活動のPRをさせて頂く場を提供頂きました株式会社デンソー社会貢献推進室の皆様には、この場を借りて厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。