パワーアカデミーは、去る11月14日に岡山大学津島北キャンパスにて、2014年度の特別推進研究の採択式を行ないました。今年度の採択研究件名は「再生可能エネルギー発電の急変動補償のためのインダクタンス可変型高温超伝導電力貯蔵装置(HTS-SMES)」で、代表研究者は岡山大学 金 錫範 教授となっています。

採択式の様子

採択式の様子

写真左:採択式の様子(写真左が金教授、右がパワーアカデミー事務局の藤井部長)
写真右:(前列) 左から、金教授、林教授 (後列) 左から、川端部長、舩曳教授、平木教授、藤井部長、森平副長
出席者の所属:大学院産業創成工学専攻 林靖彦 教授、金錫範 教授、平木英治 教授、舩曳繁之 教授
          中国電力 エネルギア総合研究所 川端豊喜 部長、森平祐次郎 副長

採択式においては、パワーアカデミー事務局からの採択証書授与に続いて、研究代表者である金教授から、研究に対する今後の抱負などについてご挨拶がありました。

岡山大学 金 錫範 教授 からの今後の抱負

このたびは特別推進研究に採択いただき、ありがとうございます。パワーアカデミー研究助成につきましては、2012年度の萌芽研究に採択していただきましたが、そのときの研究成果が基となり、今回の特別推進研究への応募に繋がりました。改めて、感謝申し上げます。
超伝導分野においては、現在、新しい線材である次世代線材が開発されていますが、その応用開発は不十分であり、特に大型マグネットに関しては、国外を含め、まだ成功例がほとんどでていません。また、液体ヘリウムの使用制限が迫っていることもあり、液体ヘリウムによる冷却システムの代替が望まれています。そこで、今回の研究において、液体窒素による冷却システムを適用した、インダクタンスを自由に制御できる超伝導マグネットを開発したいと考えています。
共同研究者である早稲田大学の石山先生、東北大学の津田先生、北海道大学の野口先生、および大阪大学の植田先生は、実験、解析を含め、超伝導分野でトップクラスの研究者であり、このメンバーであれば、2年間で成果を出せると考えています。そして、SMESだけでなく、すべての超伝導マグネットに応用できるような要素技術を開発したいと考えております。