後備保護

英語名
back-up protection

電力設備の保護には、一般的に主保護と後備保護が設けられている。後備保護とは、主保護が何らかの原因で保護し損じた場合、または保護し得ない場合に動作する保護継電方式をいい、自区間に設置された自端後備保護継電方式(local back up)と遠端後備保護継電方式(remote back up)がある。したがって、たとえば地絡主保護継電方式に地絡回線選択継電方式が用いられている並行2回線送電線区間に対する地絡後備保護継電方式は、自区間に設置されている地絡方向継電方式のみならず、隣接区間に設置されている地絡方向保護継電方式および遠方の電源端母線に設置されている地絡過電流継電方式、地絡過電圧継電方式等もすべて含まれることになる。
この後備保護継電方式には、それぞれの系統の重要度に応じて距離継電方式、方向継電方式、過電流継電方式等が一般的に用いられるが、これらの選定に当たっては、適用系統の先方区間、背後区間の継電方式との協調、後備保護遮断に至った場合の影響を総合的に検討し、決定する必要がある。

出典)「電気事業事典」電気事業講座2008 別巻 ((株)エネルギーフォーラム 発行)

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