英語名nuclear fuel

核分裂性核種を含有する物質で核燃料ともいう。原子炉内で核分裂連反応(すなわち燃焼)を起こすことができる原子核は、ウラン233(233U)、ウラン235(235U)、プルトニウム239(239Pu)、プルトニウム241(241Pu)等である。天然に産出する天然ウランは、238U、235U、234Uの3種類の同位元素の混合物である。このうち235Uだけが熱中性子で核分裂を起こすが、その含有率は僅か約0.7%に過ぎない。残りの約99.3%を占める238Uは、熱中性子では核分裂を起こさせないが、中性子を吸収すると239Puや241Puとなり、熱中性子で核分裂を起こすので核燃料として使用できるようになる。
またナトリウム232(232Th)に中性子を吸収させると233Uとなる。これは核分裂を起こすので核燃料として使用することができる。以上のように、自然界に産出するものでは235U、中性子を吸収させて原子の種類を変えたものでは239Pu、241Puおよび233Uの四つが原子炉で核分裂を起こす燃料となる。これら四つを核分裂性物質と呼び、これに対し238Uや232Thのように、中性子を吸収させれば核分裂性物質となるものを親物質と呼び、これらを総称して核燃料と呼んでいる。

出典)「電気事業事典」電気事業講座2008 別巻 ((株)エネルギーフォーラム 発行)

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