英語名gas insulated transmission line

絶縁特性の優れたSF6(六フッ化硫黄)ガスを加圧充てんした管路中に、絶縁性支持物のエポキシスペーサーで支持されたパイプ導体を配置した構造の密閉型大容量送電方式である。従来の電力ケーブルは、送電電圧の上昇による誘電体損失の急増、送電距離の増加に伴う充電電流の増大等のために、送電容量や送電距離に制限があった。この管路気中送電線はSF6ガスの比誘電率がほとんど1に等しく、しかも誘電体損失が無視できるほど小さいうえ、圧縮ガスの対流による冷却効果によって、従来の電力ケーブルに比べて非常に大きな送電容量(架空送電線に匹敵)と、送電距離が冷却設備なしで実現できる。
また導体は接地した金属管に覆われているため、雷害や塩じん害の恐れもなく、安定した送電が可能である。この方式の利用としては現在、コスト・ニーズ面や輸送上の問題(最大12m)から大容量発電所の引出し線、高電圧大容量架空送電線の交叉部等の短距離線路に限られているが、将来的には、大都市圏の長距離大容量地中送電線への適用も考えられている。

出典)「電気事業事典」電気事業講座2008 別巻 ((株)エネルギーフォーラム 発行)

他の用語を探す

キーワード検索

50音で探す
 
 
     
 
         
英数字で探す
A B C D E F G
H I J K L M N
O P Q R S T U
V W X Y Z 数字