英語名arch dam

ダムの軸線を上流側に凸にカーブさせ、水圧をアーチ作用により支え、地山に伝える形式である。したがってコンクリートの強度を十分利用できるので、堤体積を大幅に減らすことができる。形状は重力ダムに比べて極めて多種多様であり、一定の形状を示しがたい。形状の決定は、ダム地点の地形、地質の状況に大きく支配されるが、安全性・経済性を確保するため、相当程度設計者の総合判断に委ねられる。このダムは、地形上谷幅の狭い所がアーチ作用の効果が大きくなり、堤断面を薄くすることができるため有利で、重力ダムに比し一般にコンクリート量を大幅に減ずることができるが、一方、両岸の基礎に伝える力は大きくなる。また基礎の変位が堤体の安定に大きな影響を与えるので、基礎として堅硬な岩盤を必要とする。したがって、掘削量、基礎処理の費用が増加することが多い。

出典)「電気事業事典」電気事業講座2008 別巻 ((株)エネルギーフォーラム 発行)

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