英語名criticality

原子炉の中でウラン等の核分裂の連鎖反応が一定に持続している場合を臨界と呼ぶ。原子炉を起動するときは、制御棒を引き抜いたりして原子炉を臨界にして出力を高めていく。また、原子炉を停止するときは、制御棒を挿入する等して連鎖反応を止め、原子炉を臨界未満にする。
U-235でできた球の場合、その中のある数のU-235が中性子を吸収して核分裂を起こすと発生した中性子は、①球の表面から外部へ漏れるか、②球の内部でU-235に吸収されるかのいずれかである。このとき「発生」≧「漏れ」+「吸収」であれば、連鎖反応は持続する。ここで「発生」と「吸収」は球の体積すなわち直径の3乗に比例し、「漏れ」は球の表面積すなわち直径の2乗に比例するので、球を大きくしていくと、ある大きさ以上では「発生」-「吸収」≧「漏れ」となり、前述の条件を満たし、この関係式の等号の場合が臨界である。不等号の場合が臨界超過と呼ばれる。このように核分裂性物質はある量以上集まると、連鎖反応の持続が可能となり、この量のことを臨界量と呼ぶ。

出典)「電気事業事典」電気事業講座2008 別巻 ((株)エネルギーフォーラム 発行)

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