英語名counterpoise

送電線路の塔脚接地抵抗を低くすることは、直撃雷による逆せん絡を防止し、誘導雷の波高値を低減する効果を有し、送電線路の耐雷設計として最も重大な要素。一例として140kVの鉄塔の塔脚接地抵抗が10Ωの場合と30Ωの場合を考えて見ると、逆せん絡を起こさない鉄塔電流は、10Ωの場合が94.5kA、30Ωの場合が31.5kAとなり、雷撃電流の発生確率では10Ωの場合が全直撃雷のうち、逆せん絡を起こす確率が僅かに1%以下であるのに対し、30Ωの場合には約36%が逆せん絡を起こすことになる。この場合、10Ωの場合と同じ逆せん絡発生率に抑えるためには、94.5×30=2835kVの絶縁が必要となる。
接地抵抗は、水田等では十分低くとれても、畑地や山地は非常に高いことが多い。その場合には地表面下30~50cmのところに亜鉛メッキ鋼より線を地表面に沿って埋設し、その一端を鉄塔脚部に接続する。これを埋設地線という。設置方式には、放射形、平行形、連続形がある。条数および長さは計算式からも求められるが、実際には、1条の長さ20~50mのものを2~6条敷設することが多い。これらは経過地の状況その他によって適宜実施する。

出典)「電気事業事典」電気事業講座2008 別巻 ((株)エネルギーフォーラム 発行)

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