英語名fill dam

堤体を土砂で築造したダムをアースダムといい、堤体を岩石塊で築造し、漏水を防止するため不透水性材料の遮水壁を設けたダムをロックフィルダムというが、これらの中間的な形態もあるので、両者を称してフィルダムと呼んでいる。この特長は、主に現場付近にある材料でダムを築造できること、ダム底面積が広いので、基礎に与える支圧力が小さくなり、特に堅硬な基礎を必要としないことにある。これらの点から谷の形状・地質的条件でコンクリートダムを築造し得ない地点でもフィルダムによれば成立し、従来見捨てられていた地点が良好なダムサイトとなることがある。このダムは、洪水により万一頂部から越流すると堤体が洗掘されてダムの決壊を招く。
したがって洪水吐の容量はコンクリートダムより大きく設計する必要がある。また洪水吐を堤体と別個な位置に設けなければならず、地形によっては洪水吐の設置に多額の工費を要する場合もある。また天然の材料によって建設される関係上、ダム断面は使用材料の性質によって左右される反面、材料の質が悪ければ、それに応じた断面の設計ができるので、設計の自由度はコンクリートダムに比して大きい。

出典)「電気事業事典」電気事業講座2008 別巻 ((株)エネルギーフォーラム 発行)

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