中央給電指令所

英語名load dispatching center

電力系統では、多数の発変電所、電線路を統一した思想のもとに安定かつ経済的、広域的に運用するため、給電指令組織をおいて電力系統の総合運用に関する業務を専門に担当している。わが国の電力会社では、組織の最上部に中央給電指令所を設置し、その下位に中核組織として電力系統の階層別、あるいは業務機関単位ごとに系統給電指令所（基幹給電制御所等）、地方給電所（給電所、系統制御所、給電制御所等）を設置し、これら給電指令機関はピラミッド型の組織を形成して統轄、被統轄を明確にしたライン組織を構成している。近年は、系統監視制御の自動化進展に伴い、電力系統の拡大複雑化にもかかわらず、機関数を減少して、より簡明な指令組織を形成するようになっている。
中央給電指令所では、電力系統全体を把握して運用方針の大綱を指示するほか、主として需給調整業務、各電力会社間の接点業務を行う。下位の給電指令所は、中央給電指令所の指示に基づいて担当系統の運用を行っている。わが国の電力系統は、各電力会社の系統を連系して広域的にもっとも合理的な総合運用を行っているが、円滑な運用を図るため、東・中・西地域ごとに給電連絡指令所を置き、さらに全体をまとめた中央給電連絡指令所を置いて、広域的立場から各社の系統・需給運用を調整している。

出典）「電気事業事典」電気事業講座2008 別巻　((株)エネルギーフォーラム 発行)

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