平成23年度 東北大学 先端電力工学(東北電力)寄附講座主催 第9回研究交流会開催の報告
2011年11月25日
2011年11月11日(金)、東北大学 先端電力工学(東北電力)寄附講座主催 第9回研究交流会が開催されました。
■開催概要
日時 | 2011年11月11日(金)13:00~18:00 |
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会場 | 東北大学 青葉山キャンパンス 総合研究棟 1F 101講義室 |
参加者 | 財団法人電力中央研究所、八戸工業大学、弘前大学、岩手大学、東北工業大学、東北学院大学、秋田大学、秋田県立大学、山形大学、新潟大学、東北電力関係者、東北大学 |
プログラム |
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■主な内容
第9回研究交流会では、主に東北地域の電気系学科におけるグリーンエネルギーに関する教育研究の取り組みなどについて情報交換が行われました。
(1)開会挨拶
東北大学大学院 工学研究科 一ノ倉 理 教授より、今回の研究交流会のテーマ「東北地域の電気系学科におけるグリーンエネルギーに関する教育研究の取り組み」の紹介と寄附講座の活動概要などについて説明がありました。
(2)特別講演
財団法人電力中央研究所 材料科学研究所 池谷 知彦 先進機能材料領域リーダーより、「低炭素社会実現に向けた二次電池技術への期待」と題し特別講演が行われました。以下が主な講演内容です。
- 震災後の蓄電池システムへの期待
- 電力系統での蓄電池技術への要求
- 電気自動車などの蓄電技術
- リチウム二次電池から革新的電池への期待など
(3)東北地域各大学からのグリーンエネルギーに関する教育研究の取り組みの紹介
東北地域10大学より今回の研究交流会テーマについて紹介がありました。主な紹介内容は以下の通りです。
- 八戸工業大学:防災技術社会システム研究センター構想、多層光学膜を用いた太陽電池の効率向上や需要予測と省エネルギーアナウンスシステムの構築などの紹介。
- 弘前大学:北日本新エネルギー研究所の概要、バイオマス利用燃料電池システムや積雪寒冷地向けEVなどの重点研究課題、地中熱利用/風車発電による標識灯電源などの実証研究の紹介
- 岩手大学:岩手大学工学部電気電子工学コースでの教育プログラムや風力発電所の落雷計測や2削減に向けた照明用ZnO発光ダイオードなどのグリーンエネルギー技術に関係する研究テーマの紹介、岩手県で実施されている「いわてエネルギー環境教育ネットワーク」の紹介
- 東北工業大学:太陽光発電による独立電源システムの開発とSegwayの利用によるパーソナルトランスポーター化によるモーダルシフトに関する紹介
- 東北学院大学:工学部電気情報工学科電力制御分野の概要や研究教育設備、SRGの風力発電への適用やクリーンエネルギー発電用ハイブリットマイクログリットシステムに関する研究の紹介
- 秋田大学:高分子がいしの実用化促進およびその外皮の評価や環境負荷の小さい電力用素子・材料の実現研究、大潟村での地域直流スマートグリット実証試験やバイオマスを利用した蓄電デバイスなどの紹介
- 秋田県立大学:秋田県立大学の紹介に続いて、積雪寒冷地におけるEVの走行実証やEVを活用した観光活性化方策が検証されている「あきた次世代自動車実証コンソーシアム」(秋田県)の紹介
- 山形大学:低純度Siを用いた低コスト太陽電池や高効率色素増感太陽電池、フレキシブル有機太陽電池に関する研究事例や地域卓越研究者結集プログラムの紹介
- 新潟大学:電気電子工学科、特に電気エネルギー分野での研究分野の紹介に続いて、バルク高温超伝導体とその応用に関する研究
- 東北大学:プラズマによる低炭素化、超伝導を含む新しい電力・エネルギー供給システムの提案、風力発電への適用も視野に入れた発電機の開発さらに再生可能エネルギーの出力変動に対応した需要家設備の統合的制御などの研究紹介
各大学からのグリーンエネルギーに関する教育研究の取り組みの紹介について活発な質疑応答がなされました。
(4)閉会挨拶
東北電力株式会社 齋藤 敏 研究開発センター所長より、第9回研究交流会の総括があり、東北地域の電力・エネルギー分野の発展のために今後も意見交換などを続けてゆきたいなどの話がありました。