去る6月10日(水)、11日(木)、2日間に渡り、第3回パワーアカデミー・リージョナルミーティング(以下:PARM )を開催しました。

■主な内容

第3回PARMは、6月10日(水)、九州大学 伊都キャンパスにおいて、主に九州地区における電気工学分野を活性化させるための取り組みやパワーアカデミー構想などについて意見交換を行いました。

(1)パワーアカデミーの活動紹介

田中事務局長によるパワーアカデミーの活動紹介

パワーアカデミー・田中事務局長より、パワーアカデミーの目的、内容、活動状況、課題さらに他国でのパワーアカデミーの状況などについて説明を行いました。以下、主な発言の抜粋となります。

・電気工学科を残している大学が少なくなっている。
・先進型の電力供給のための取り組み、博士等の支援のあり方の検討が必要である。
・パワーアカデミーの活動と大学・電力の共同研究を結んでゆく取り組みを進めていきたい。

(2)九州パワーアカデミー紹介

九州パワーアカデミー紹介

九州パワーアカデミーについて、九州電力より説明がありました。以下、主な発言の抜粋となります。

・コンセプトは「九州はひとつ」という考えで、電気工学において大学と企業の架け橋的な役割を目指す。
・研究、教育の両面での取り組みを進めていく。

(3)九州電力寄附講座の活動について

九州電力寄附講座の活動について、九州大学、九州工業大学、熊本大学より説明がありました。以下、主な発言の抜粋となります。

・電力経済学(新しい電力ネットワーク出現を見据えた)を提言する。
・九州電力寄附講座は研究面に軸足を置き、大学院教育に力を入れていく。
・電力分野における人材育成を目指す。
・世界レベルの研究を目指している。
・電力経済工学、電力設備アセットマネジメント分野を強化する。
・世界トップレベルの研究者を招聘し、最低1年以上の滞在、教育活動を求める。

九州電力寄附講座の活動について

(4)九州地区各大学並びに高専における活動と課題

九州地区における大学・高専の活動について、各大学・高専より説明、質疑を行いました。以下、主な発言と質疑内容の抜粋となります。

【主な発言】

・中学、高校などより若年層に電気工学が面白いという認識を持ってもらう取り組みを始めている。
・大学院講義に英語授業を採用。国際的に活躍できる能力アップを目指す。
・院生の実力をつける目的で、研修など今まで単位とならなかった色々な取り組みも単位化した。
・工学部内他学科(機械、土木、建築、化学)と連携した"グリーンキューブプロジェクト"を実施中。電気工学の新たな分野の開拓を行っている(各分野の環境性向上の取り組みに電気工学の技術を融合)。
・ポスドクを先生とした電気主任技術者対策講座を実施中。
・私立大学の特色を出すために、地元に貢献する技術者(例えばインフラを支える技術者)をターゲットとした教育に取り組んでいる。
・高専では就職で学生の第一希望会社にほとんど就職できている。非常に安定している。

九州地区各大学並びに高専における活動と課題

【主な質疑】

「高専での教育に対する課題は?」
→設備更新、新しい設備導入が容易ではない。大学との連携(人材も含め)は有効と考えている。また、若手の教員の補充も課題と考えている。

「大学院講義の全面英語化は日本人も対象となるのか?」
→当面は英語レベルに合わせ講義を4つのカテゴリーに分け、本人の実力に応じた講義を用意するが、将来的には全面英語化を目指す。

(5)フリー討論

以下、主な発言と質疑内容の抜粋となります。

・学生の進学志望者が少なくなってきていること等について、先生方や企業との意見交換の場としてパワーアカデミーが必要。
・ネットワーク関連をはじめ、電力会社の社会的ニーズの拡大を新たな電気工学の発展につなげてゆくべきである。
・電気工学の社会的バックアップとしてパワーアカデミーは期待されている。
・電気工学への期待が環境技術を支える基盤へと変化している。
・教育人材の充実のために、若手を抜擢したい。

フリー討論

(6)九州大学施設・九州電力総合研究所見学

6月11日(木)は、九州大学施設(超電導、水素エネルギー)と、九州電力総合研究所インテリジェントハウスや技術の「見える化」の取組みの見学会を実施しました。

九州大学施設・九州電力総合研究所見学

■開催概要

会場 九州大学 伊都キャンパス ウエスト4号館 4階 第一会議室(リージョナルミーティング)九州電力(株) 総合研究所(施設見学)
日時 2009年6月10日(水)13:30―18:00(リージョナルミーティング)
2009年6月11日(木)(施設見学)
参加者 ・九州大学、九州工業大学、熊本大学、長崎大学、大分大学、宮崎大学、
福岡大学、佐世保高等専門学校関係者
・九州電力関係者
・パワーアカデミー運営委員、事務局、関係者