結婚しても、大好きな研究をつづけたい 大曲 祐子さん

工学に進むことにまったく抵抗がありませんでした

工学に進むことにまったく抵抗がありませんでしたと話す大曲さん大曲さんは、現在、大阪大学の特任研究員という立場で、三井造船(船舶・ハイブリッド)推進システム共同研究講座で多忙な日々を送っています。パワーアカデミーの学生インタビューにも4年前の2008年にご登場いただきました。(学生インタビュー vol.2 大阪大学
「インタビューのお話は急に決まったので、今見ると、とても恥ずかしいです」と笑う大曲さん。改めて、電気工学へ進んだきっかけをうかがいました。

「以前に、インタビューでお答えしたように、私は文系科目より理系科目の方が得意でした。中学・高校が女子校で、特定の授業の時だけクラスが理系と文系に分かれました。クラスの半分が理系だったので、理系の女性は必ずまわりにいました。自然に理系の中で工学部へ進んだ感じです」。
また工学系に女性が少ないことについて「世界の中では日本だけだと聞いています」。

女子校から男性だらけの世界にビックリ!でも大丈夫でした

女子校から男性だらけの世界にビックリ!でも大丈夫でしたと話す大曲さん当たり前のように理系の電気工学科へ進んだ大曲さん。しかし女性の少なさにはさすがに驚いたようです。「私の学年で、電気工学科は全部で40人ぐらいでした。そのうち日本人の女性が4人でした。これは他年度に比べるとすごく多い方です(苦笑)。女性はみんな修士に進みましたが、コースが分かれて、電気電子情報工学専攻(電気工学系研究室)に進んだのは私を含め2名でした」。
それでは色々と苦労があったのでは?「いいえ。中学・高校時代とのギャップに慣れるのは大変でしたが、特に苦労はなかったですね。むしろ得したことの方が多いかもしれません。学会などでも目立って、色々な方に覚えてもらえます。とにかく女性は少ないのでよく目立ちます(笑)」
また女性が少ない分、同じ女子学生との結束は強まることも。「私を含めた4人の女の子はすごく仲良くなりました。4人で山口県へフグを食べに行ったり、家で鍋パーティーやたこ焼きパーティーなどをやったりしましたね」。
研究室で女性ひとりということも、「全く違和感なく、みんなと研究生活を送っていました。一緒に学食で昼食や夕食を食べたりしました。定期的な飲み会もありますし、夏には研究室旅行がありました。また当時は、談話室があって、研究で疲れると、談話室に行ってお菓子を食べながらみんなで雑談していました」。
アルバイトも「普通にやっていましたよ。家庭教師もしましたし、大好きな服のショップやカフェでもアルバイトをしました。女の子らしいでしょう(笑)」。
中学・高校時代の女性だけの世界から、ほとんど男性だけの世界へ飛び込んだ大曲さん。「はじめは誰でも戸惑いますよ。でも慣れれば大丈夫です。私が証拠です(笑)」。

電気という強みを持って、結婚しても研究を続けたい

電気という強みを持って、結婚しても研究を続けたいと話す大曲さん「就職という選択肢もありましたが、やっぱり研究を続けたくて」という大曲さんは、現在、大学内で、三井造船(船舶・ハイブリッド)推進システム共同研究講座で研究を行っています。
「省エネルギー化やCO2排出削減などは自動車が注目されていますが、船舶の分野でもそれが求められています。ただし、船舶はもともと航空機や自動車に比べてエネルギー効率が高く、既存の技術の範囲内で省エネルギー化の技術は完成の域に到達していると言われています。そこで、異分野技術を導入して船舶推進システムを抜本的に改新する研究をはじめました」。
具体的には、ディーゼルエンジンと電動機、この2つの動力源を活用(ハイブリッド化)することで省エネルギー化、CO2排出量削減を可能にする、環境にやさしい船舶の実現を目指しています。
しかし大曲さんは「この講座の研究員としては2013年3月末までなんです」と少し心配なご様子。そこで今後、やりたいことや夢をうかがいました。「次の仕事は探し中です(苦笑)。夢は、今漠然と考えているのは、結婚して子どもを産んでも研究を続けることです。母親が家庭と仕事を両立しながら、さらに大学院に通って修士号を取ったんです。だから母のように家庭と仕事を両立したいです」やはり電気工学の研究者でしょうか?
「電気専門のお仕事になるかはまだ分かりませんが、電気はいろいろな分野に使われているのでどこでも通用すると思います。私の強みですね」。

電気工学の女性は珍しいけれど、それが個性になり強みになる

電気工学の女性は珍しいけれど、それが個性になり強みになると話す大曲さん最後に女性の後輩にメッセージをいただきました。
「今の社会は電気を使うことが前提でつくられているので電気工学を扱う分野はかなり広いです。いろいろと見て面白そうと思う分野にぜひ挑戦してほしいです」。
また理系の勉強が苦手な方へ、こんなアドバイスもいただきました。
「勉強ができることと研究ができることは全然違います。ですから、受験科目で理系科目ができないから無理だと思って道を絶たないでほしいです。もちろん研究するためには知識が必要ですが、逆に受験勉強で理系科目が苦手な女の子でも研究にはすごく向いていたり、楽しいと思ったりする人もいますよ」。
そして「女性で“電気”をやっているというとすごく珍しがられます。逆にそれが、個性になり強みになるかもしれませんね」と苦笑いしながら付け加えていただきました。

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