アレッサンドロ・ボルタ(1745-1827)イタリアの物理学者。電池(ボルタ電堆・電池)の発明者。

カエルの脚から電気が発生?

電気といえば、まだ摩擦電気(静電気)や雷しか知られていなかった18世紀。イタリアの生物学者ガルバーニは、解剖したカエルの神経にメスで触れると、カエルの脚が痙攣することに気づきました。彼はこれを動物が生み出す電気と考え、動物電気(ガルバーニ電気)と名づけました。

ガルバーニの実験

電気には味がある?

ガルバーニの発見に強い関心をもったのがイタリアの物理学者ボルタです。しかしながら、彼は、動物電気の研究をしていく中、2種類の金属(亜鉛や銅など)で舌をはさむと、ピリピリとした刺激とともに、変な味覚を感じたことなどから、この電気は動物に由来するのではなく、異なった金属の接触により電気が発生したのではと考えるようになりました。 カエルの脚が動くのも、これと同じ現象(異種金属間に発生した電気による刺激)だったのです。

ボルタの電池は歴史的な大発見、大発明!

2種類の金属間に発生する電気を実証するため、ボルタは塩水で湿らせた布をはさみながら、銅板と亜鉛板を交互に積み重ねた装置「ボルタの電堆(でんたい)」を考案しました(1799年)。また、希硫酸のはいった容器を亜鉛と銅の電極でつないだ「ボルタの電池」も考案しました(1800年)。 ボルタの電池が発明されたことによって、はじめて持続的に流れる電気=電流が利用できるようになり、その後の電気の解明に大きく貢献しました。

ボルタの電堆/ボルタの電池

ボルタの電堆に似たデンキウナギの発電器官

携帯電話や電気自動車のバッテリーなど、あらゆるバッテリーはボルタの電池をルーツとします。ボルタの電池において、容器をたくさんつなぐのは、より高い電圧を得るためです。面白いことに、電気魚として知られるデンキウナギは、多数の電池を直列につないだような発電器官をもち、約500~800Vもの電圧を発生します。ガルバーニは動物電気という的はずれな説を展開しましたが、発電する動物は実際に存在していたのです。

ボルタの電堆/ボルタの電池

基本的な物理法則が支える、電気工学

「オームの法則」や「ファラデーの法則」などの基本的な物理法則が、「電気自動車」や「超電導」といった電気工学の最先端技術を支えます。電気工学の最先端技術をもっと知りたい方は、下記をご覧下さい。

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