電気工学のススメ

インタビュー

学生インタビュー

将来の夢へ、電気工学の知識を活かしたい

東北大学 先端電力工学(東北電力)寄附講座は、エネルギー資源と地球規模の環境問題、地域社会との協調など、電気事業が抱える諸問題について、東北電力(株)の支援を得て研究、教育を進めています。担当教官である岡田健司教授は、電気事業や社会の問題解決に取り組む研究機関、財団法人「電力中央研究所」の研究員として、長年の間、電力工学の研究に携わった経歴をお持ちの方です。

※2010年1月現在。文中の敬称は略させて頂きました。

■全員思い思いの理由で、電気工学を選びました

電気工学を志望された理由はなんですか。渡部さん、お願いします。

渡部:高校のときに物理が好きだったので、関係する学部に進もうと思っていたのですが、工学部と理学部との間で迷いました。そこで、扱う分野が広そうな方にしようと思い、工学部に決めました。その中から電気工学を選んだ理由は何かと言いますと、学科名でした(笑)。

学科名で選ばれたというのは?

渡部:学科名が電気情報物理工学科という名前で、工学部にある数々の学科の中でも物理という名称が入っていてカッコいいなと思って(笑)、決めました。

なるほど(笑)。小竹さんはいかがですか。

小竹:私の場合は、中学生ぐらいの頃からなりたいと思っていた職業が4つあるのですが、その1つが工学系技術者だったためです。電力関係の仕事が良いなと考えていました。残りの3つは、教員と弁護士、医者でした(笑)。

どれも格好の良い職業ですね(笑)。渋谷さんはいかがですか。

渋谷:私は、高校時代に東北大学のオープンキャンパスで電気工学系の研究紹介を見たことです。また、地理の授業でエネルギー問題について勉強したとき、分散型エネルギーや核融合などのクリーンエネルギーに興味を持ちました。それらが電気工学を勉強したいと思ったきっかけですね。

オープンキャンパスで一番印象に残ったことはなんですか。

渋谷:プラズマ応用の説明や核融合の話が印象に残りました。プラズマ応用は、実際にものを浮かせるデモンストレーションを見ることができて、面白いなと感じたことを覚えています。

■日本で最先端の電力工学に挑む!

現在行っているのは、どのような研究ですか。渡部さんからお願いします。

渡部:私は、「無効電力の供給コスト評価に関する研究」です。

無効電力とは何ですか。また、どのような研究内容でしょうか。

渡部:交流機器に供給された電力(皮相電力)のうち、その機器で実際に消費された電力を有効電力といいます。それに対して、実際に消費されなかった電力を無効電力と言います。
無効電力は、電圧の維持や制御などに重要な役割を果たしているのですが、そのコスト評価の適切な方法が、現在は存在しないのです。その評価方法を明らかにすることが研究の最終目標です。

なるほど。小竹さん、お願いします。

小竹:私は、「電源の系統接続評価の研究」です。電力の流れのことを潮流というのですが、その潮流は送電線に流して良い上限量が決っています。それを超えてしまうことが予想される場合、どこの発電機の出力を下げるのか、逆にどこの発電機の出力を上げるのか、一番コストが少なくなるように潮流のバランスをとりながら電力を供給するにはどのように運用すればよいのか、解析ソフトを使用して研究しています。

最後に渋谷さん、お願いします。

渋谷:私は、「電源事故・送電線故障を考慮した地点別信頼度評価に関する研究」です。簡単に言いますと、電源と送電線を効率よく運用して、電力のコストを下げることを目的とした研究です。その中で、電源事故や送電線故障を考慮することで、安定した電力供給を併せて実現するものです。

故障を想定する研究というのはユニークですね。

渋谷:はい。最近、環境対策として分散型電源や太陽光・風力発電などが話題に上ることが多いですよね。これらの発電方法は、確かに環境にやさしいのですが、天候などの諸条件に左右されやすく、出力が非常に不安定なため、電力系統に影響を与えやすいのです。これらの影響を含めて、電源事故や送電線故障などに対して電力系統のバランス調整を行うことは、電力安定供給には大切な要素です。