電気工学のススメ

インタビュー

学生インタビュー

最先端プラズマ技術で、社会に貢献をしたい!

■世界初のプラズマ発生装置で、新技術を生み出す

学部を卒業後、環境電力工学研究室に進んだ理由をお教え下さい。

坪川:金沢大学は、学部4年のときに研究訪問があるのですが、その時に田中先生から「うちの研究室は、世界ではじめて、任意に温度コントロールできるプラズマ発生装置(変調誘導熱プラズマ発生装置)をつくった研究室だよ」と言われて、環境電力工学研究室に決めました。

それは心が動かされますね。坪川さんが今研究しているのも、そのプラズマ発生装置に関するものですか。

坪川:はい。私は、「プラズマ制御に関する研究」を行っています。具体的に言うと、熱プラズマに関する研究です。

熱プラズマとは何ですか?

坪川:熱プラズマとは、高温高密度状態のプラズマのことを言います。大気圧で発生させた熱プラズマは、温度が数千から数万℃と高温で優れた特性を持つため、高融点金属、セラミックなどの切断、表面処理、産業廃棄物分解処理など様々な分野で応用されています。

プラズマの応用技術ですね。

坪川:そうですね。熱プラズマを発生させる方法は色々あるのですが、私達が手掛けているのは"誘導熱プラズマ"というものです。約400 kHzの高周波磁場をコイルに加えることによって、大気圧下で1万℃の熱プラズマを発生する方法です。

1万℃!太陽の表面温度は6000℃と言われていますから、それは凄いですね。

坪川:また、誘電熱プラズマは他の方法と違って、電極がないため、不純物の少ないクリーンな熱プラズマを形成できます。ただ、誘電熱プラズマは高温なので、基板や生成物に熱的な損害を与えてしまうのです。そこで、任意に温度をコントロールできる「変調誘導熱プラズマ発生装置」によって、高温場を制御しようとする研究です。「変調誘導熱プラズマ発生装置」は、田中先生や先輩達がつくった、世界初の技術です。

新しい発明が色々生まれそうですね。

坪川:はい。私がやっている研究も、この技術を応用した新材料の生成です。誘導熱プラズマを利用することによって、様々な新材料の生成方法が得られます。具体的には、誘電熱プラズマによって、たとえば金属チタン(Ti)の表面を高速で改質する研究を行っています。

なるほど。何か他に分かりやすい応用例はありますか。

坪川:私の研究とは違いますが、うちの研究室では、誘電熱プラズマを利用して、ナノパウダーを生成する研究を行っています。ナノパウダーとは、文字通りナノ(10万分の1ミリメートル)領域の粉体のことです。あるメーカーさんと共同で開発を行っています。