身近な電気のフシギ、集めました

2014年1月掲載

電気は私たちの身近にあるため、一見気がつきませんが、実は「なぜ?」と思う不思議がたくさんあります。今回の身近な電気工学は、そんな電気の不思議をご紹介します。

1.静電気が、花粉を引き寄せる

そろそろ花粉症の方にとって、つらい季節がやってきました。ここで覚えていただきたいのは、静電気が花粉を引き寄せるということ。ぜひお気を付けください。

なぜ静電気が花粉を引き寄せるのか。そもそも静電気とは、本来は電気が通らない物質にたまった電気のことで、物体に電荷が蓄えられている状態(帯電)をさします。

帯電しているものには、空気中の微粒子がくっつきやすくなります。微粒子も帯電しているので、電気を帯びたものに引き寄せられるのです。そのため微粒子を含むホコリや、花粉なども吸い寄せられることになってしまいます。花粉症の方、静電気にご注意を!

静電気が、花粉を引き寄せる

2.鳥は、なぜ電線に感電しないのか

まず鳥が電線に立っている状態を想像してください。一本の電線に鳥が両足を乗せている絵が浮かびませんか?
そう、ここに秘密があるのです。
鳥は両足で電線に止まった場合、両足間の距離が短いために、両足間の電圧の差がほとんどありません。電流は電圧の差がなければ流れないため、鳥の身体には電気が流れないというわけです。ですから、まれに大きな鳥が二つの線に触れると感電して、停電になることがあるそうです。

3.電波時計は、なぜ正確なのか

東日本地区は福島局(おおたかどや山:40kHz)、西日本地区は 九州局(はがね山:60kHz)から発信。同じ周波数では電波が重なる地域で互いに干渉し合い電波が弱くなってしまうため、異なる周波数が設定されています。

それは時計が頑張って時刻合わせをしてくれるから。日本国内には2種類の「標準電波(JJY)」と呼ばれる、日付と時刻を情報としてもつ基準時刻用電波が飛んでいます。ひとつは、福島県大鷹鳥谷山の「おおたかどや山標準電波送信所」。もうひとつは、福岡県と佐賀県との県境に位置する羽金山の「はがね山標準電波送信所」で、一部の地域を除いて、ほぼ日本全国をカバーしています。電波時計は、この標準電波を受信し、自動的に時刻合わせを行ってくれるので正確なのです。

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