第16回 電気のトリビア 暮らしの中の電気トリビア、集めました

2013年9月掲載

私たちの暮らしの至るところに、電気製品が使われています。今回の身近な電気工学は、そんな暮らしの中に存在する、あまり知られていない、しかし非常に重要な電気のトリビアを集めてみました。

1.コンセントの右と左は、穴の大きさが違います

コンセントの右と左は、穴の大きさが違います

みなさんの職場や学校、お家のコンセントを見てください。2つの穴の大きさが、右と左で違うことがお分かりになりますか。右の穴が、左の穴より、短くなっています(※1)。
なぜ長さが違うかというと、それぞれ役割が違うからです。右は、電気が通ってくる穴ですが、左は「アース(接地)」と言われる穴で、電線を通して地面につながっています。これは万が一、コンセントに通常よりも高圧の電気が流れてきた場合に、電気を地面に逃がすためのものです(※2)。

(※1)家庭用コンセントの100Vの場合は、左が9ミリ、右が7ミリと決められています。
(※2)配線が稀に間違っている場合がありますので、左側でも絶対に触らないでください。

2.エアコンが冷房も暖房もできるわけ

当たり前の話ですが、よく考えると、不思議に思いませんか。簡単にエアコン(エアーコンディショナー)の仕組みをご説明します。冷房は、液体が蒸発して気体になる時に、まわりから熱を奪う性質を利用しています。例えば、注射の時に皮膚をアルコールで消毒すると、その部分がスーっと涼しく感じられます。これはアルコールが蒸発して、皮膚から熱を奪ったことによるもので”気化熱(※3)”と言います。

一方、暖房は、逆に気体に高い圧力をかけて液体に変わることにより、まわりに熱を放出する性質を利用しています。これを“凝縮熱”と言います。エアコンは、この”気化熱”と“凝縮熱”の原理を利用して、部屋の冷暖房を行っています。まさしく、空気(=エアー)を調整するもの(=コンディショナー)なのです。

エアコンは室外機と室内機がセットになって、パイプでつながっている電気機器です。そのパイプの中には“冷媒”と呼ばれる物質が入っています。冷媒とは、熱を温度の低い所から高い場所へ移動させるために使用される熱媒体です。冷房も暖房も、冷媒が、空気中の熱だけを乗せて、室内機と室外機の間をぐるぐる回っていいます。

(※3)気化熱を利用した技術にヒートポンプ技術があります。詳しくは下記をご覧ください。

3.乾電池は使わなくても、消耗します

電気の使用推奨期限の表示

これは自然放電という現象によるものです。化学電池は使用しなくとも少しずつ化学反応が起こり、電気が減っていくのです。自然放電を防ぐ方法としては、温度が低く、湿気の少ない場所に電池を保管することです(冷蔵庫は、水分がつく可能性があり避けてください)。また、大量に電池を買いこまず、必要な分だけ使用することも大切です。尚、電池の新旧を見分けるには、電池の底面または円周面に刻まれた使用推奨期限(※4)を確認してください。

*表示例 8-2013→2013年の8月頃が使用推奨期限となります

(※4)使用推奨期限とは使わないで保管された場合に、電池サイズごとに日本工業規格(JIS)で定められた性能が発揮できる期限を定めたものです。

まとめ

これらの身近な電気のトリビアは、電気工学を学ぶことによって、理論や原理まで辿って理解することができます。そして、さらに色々な電気のトリビアを発見することになるでしょう。身の回りの生活の欠かせない電気を知ることによって、日々の暮らしがより便利で快適なものになっていきます。

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