省エネルギー時代に不可欠な、プロフェッショナルです。

エネルギー管理士とは

「エネルギーの使用の合理化に関する法律」(省エネルギー法)に基づく、経済産業省が認定する国家資格です。エネルギー管理士試験に合格した人、又はエネルギー管理研修を修了して免状の交付を受けた人のことを言います。

こんな仕事ができます

主な業務として、燃料や電気消費量の多い工場でのエネルギー消費設備の維持、使用方法の改善・監視など、エネルギー使用の合理化を図ることが挙げられます。名前の通り、エネルギー管理を行う責任者となります。

資格のメリット

省エネルギー法によって、規定量以上のエネルギーを使用する工場は、第一種エネルギー管理指定工場(※1)に指定されます。第一種エネルギー管理指定工場(事務所、オフィスビル等を除く)はエネルギーの使用量に応じて、エネルギー管理士免状の交付を受けている者のうちから、1人~4人のエネルギー管理者を選任しなければなりません。工場に人員を配置することが義務付けられているため、有資格者は給与面や昇格、転職などにおいても優遇されます。

(※1)第一種エネルギー管理指定工場とは、燃料及びこれを熱源とする熱及び電気の年度の使用量が原油換算3000kL以上で、これに応じた所定の手続きで指定された工場を第一種熱管理指定工場という。

将来の活躍分野

第一種エネルギー管理指定工場は、自動車、電子機器・電子部品、化学産業、化粧品・トイレタリー、食品、医薬品・医療機器など業界問わず、数多く存在します(※2)。従って、日本における大規模な工場には、必ずエネルギー管理士の力が必要となります。また、エネルギーのほとんどを輸入に頼っている日本において、省エネルギー化は国家の重要課題です。東日本大震災以降、さらにその役割は増しており、今後ますます活躍分野は広がっていくことでしょう。

(※2)詳細は資源エネルギー庁「エネルギーの使用の合理化に関する法律に基づく特定事業者等指定状況」をご覧ください。

資格取得に関する主要データ

取得方法

電気分野と熱分野に分かれており、以下2つの取得方法があります。

  1. 試験…経済産業大臣指定の省エネルギーセンター実施の国家試験に合格すること
  2. 研修…省エネルギーセンターの実施する、7日間の認定研修(エネルギー管理研修)を受講し、修了試験に合格すること

※2005年の法改正前での旧「熱管理士」「電気管理士」資格保有者には、現行制度におけるエネルギー管理士への移行処置があります。

受験資格

  1. 試験…誰でも受験できます。ただし、合格しても免状申請の際にエネルギーの使用の合理化に関する実務経験が1年以上必要となります。実務経験は受験後でも構いません。
  2. 研修…エネルギーの使用の合理化に関する実務経験3年以上の者

受験者数/合格率

【試験】
12,049人、23.3% 
【研修】
1,203人

※2013年5月公表の最新データに基づく

電気工学出身者の強み

本資格は、試験で取得する場合、免状申請の際にエネルギーの使用の合理化に関する実務経験が1年以上必要になります。ただし受験後でも構わないため、学生時代に試験を受けて置くことも十分可能です。合格すれば、就職の際に大きなアピールとなります。大学や高専によっては、取得支援のために特別科目や集中講座がある場合もあります。


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